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国語学の視点

auテレビCM「三太郎」シリーズにみる、『子ども語』の活用

金水 敏氏(大阪大学)

携帯キャリア各社 各世代の心をつかむひと工夫

既存のキャラクターを使ったCMシリーズというと、au(三太郎)、ソフトバンク(白戸家~ドラえもん)、ワイモバイル(赤塚不二夫マンガ)、UQ mobile(ガチャピン・ムック+三姉妹)のように、携帯キャリア(電気通信事業者)が目立つ。

これは、幅広い世代に息長くキャンペーン内容を伝えていくという目的にとって、既存のキャラクターの起用が有用であるからであろう。それから、どのCMも「家族」を強調している点にも携帯キャリアの特徴が出ている(家族を対象とする割引制度を設定しているから)。前回も書いたように、いずれのCMシリーズも、決して新しくないキャラクターに何らかの形で“今”をまとわせる工夫が施されているが、その工夫は会社によってかなり異なっている。

たとえばauの「三太郎シリーズ」は、桃太郎、浦島太郎、金太郎という日本昔話の人気者が、もし幼なじみだったらというコンセプトと世界観でCMが構成されている。桃太郎を松田翔太、浦島太郎を桐谷健太、金太郎を濱田岳が演じていて、2015年のスタート以来、根強い人気を誇っているシリーズだ。桃太郎が幼少の頃(寺田心が演じている)、「どんぶらこしてきた」からという理由で近所の子どもにいじめられていたとき、浦島太郎と金太郎が助けに入って以来...

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