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TOKYO 2020 ストーリー

マイケル・ペインのTOKYO2020ストーリー

マイケル・ペイン

2020年東京五輪は、日本にとってどんな意味があるのだろう。開催は、マーケティング業界にどんな恩恵をもたらすのか。今から6年後の開催を視野に、大会を確実に成功させるために取るべき重要な一歩とは何だろう。月刊「宣伝会議」では、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた特別連載を開始します。本コラムは、オリンピックやグローバルマーケティングに関して、世界一の権威であるマイケル・ペイン氏が執筆します。

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Michael R.Payne
1983年国際オリンピック委員会(IOC)に入り、初代マーケティング・ブロードキャスト・ライツ・ディレクターに就任。夏冬合わせて15回のオリンピックのマーケティング活動に関わった。現在はスポーツビジネス、企業のコンサルタント、WPPグループのスペシャルアドバイザーを務める。近著に『オリンピックはなぜ、世界最大のイベントに成長したのか』(サンクチュアリ出版)。14カ国以上に翻訳され、前IOCサマランチ会長に、オリンピックビジネスに関する最も重要な本と言わしめた。

第1回大型プロジェクトが何万件も生まれる機会に

私は、初のIOCグローバルマーケティング&ブロードキャストディレクターとして、元IOC会長サマランチ氏やロゲ会長のもと、20年以上にわたって破産寸前のオリンピックが数十億ドルのフランチャイズビジネスに変わるのを見てきました。私は、今日のスポーツマーケティングの基礎である放送権やスポンサーシップのビジネスモデルを先駆的に立ち上げることに尽力してきました。

本コラムでは、オリンピックが日本の国やスポンサー、日本の産業全体に与える影響について検証します。夏季、冬季オリンピックのマーケティング活動を15回以上も指揮した経験から、日本や日本の産業がオリンピックから最も恩恵を受けるにはどうしたらよいか、そして過去の失敗や陥りやすい間違いを避けるために必要なことを論じます。

私は2004年のアテネを最後にIOCの職を退任し、スポーツやエンターテインメント産業におけるグローバル戦略家として活動をしてきました。2005年から、WPPグループや同社のCEOマーティン・ソレル卿に、また、同社のスポーツマーケティング戦略について助言する上級顧問も務めています。WPPグループは、現在、IOCの指定広告代理店になっており、IOCのすべてのリサーチ、広告、ブランドマネージメント、PRを担当しています。

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2010年バンクーバー冬季五輪開会式より。

世界の目が日本に注がれる

2020年7月24日、第32回オリンピックが開幕すると、世界中の目が日本に注がれるでしょう。最後に日本が夏季オリンピックを主催した時から56年が経過しています。1964年の東京五輪は、日本の歴史における決定的瞬間でした。この年、日本は、第二次世界大戦の暗い影から世界の舞台に飛び出し、世界や日本人自身が持っている日本に対する見方を変えました。

テレビ放送は産声を上げたばかりで、わずか数百人の放送技術者が、数時間分の競技のハイライトを捉えようと必死でした。多くの人は、テレビを通じて初めて日本の文化に触れ、各国から訪れていた報道関係者は、日本特有の温かいもてなしについてレポートしました。2020年東京五輪は、1万5千人以上の放送技術者によって、5000時間を超えるライブ映像が流れ、220カ国以上で生中継されるでしょう。

オリンピックの主催は、最も重要なプラットフォームの一つを手に入れることを意味します。どの国の政府も、国家イメージを管理するために、毎年、何十億ドルも使い、他国から見える自国のイメージをコントロールしようとしています。国家イメージは、政治や経済関係に影響を与えるからです。

オリンピックは、主催する国や都市を…

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