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「いまネットの世界でおきていること」

柔軟性と、たたずまい。言うは易く、実行は難しい。

阿部晶人

気がつけば、ネット広告10年選手。それまでのCMやグラフィックだけでなく、2002年ごろからはネット広告も手がけ始めた私にとって、この10年を振り返ると様々な思いが巡る。斬新なネット表現がもてはやされた2006年前後の時期を経て、ブログやバイラルなどのブームも一段落し、全体的には落ち着きを取り戻した印象がある。何をやっても周囲に喜ばれる赤ちゃんの様な存在だったインターネットは、すくすく成長し、特別ではないが、いつも一緒にいてくれる大切な存在となったのだろう。

一般化はしたものの、相変わらずネット上では毎日新しい技術が誕生し、それを活用した広告が次々に作られていく。海外で開催されるメディアアートの祭典や、テクノロジーの祭典で新しい技術を見つけ、それらが広告として世の中に紹介され消費されていく。いずれこのサイクルも途切れるのかと思いきや、ますます加速している感がある。今、隆盛を極めるソーシャルメディアも来年はどれが生き残っているのだろう。あたかも、目の前を走り過ぎる電車の中にいる乗客を一人ひとり見極めるかのような動体視力を求められている状況だ。しかし、大変な思いをして次のトレンドや技術を見つけ出しても、それが本流とならないことが多いのも事実。今後もおそらく数多くの技術がネットを賑わせることになるだろうが、ここらで広告業に携わる人たちは追いかけることに気を取られず、しばし目を閉じて考えるべきかもしれない。

「最新」から「最適」へ

確かに今まではネット広告においても「最新技術」が最強の武器だった。しかし技術の新陳代謝がこれだけ速くなってきた今は、最新だけではなく「最適」を見つける能力が求められている。つまり、今必要なことは「先見の明」ではなく、どんな状況にも対応できる「柔軟性」なのではないか。

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