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企業ミュージアム 五感に訴えるコンテンツ編集術

体験通じ記憶に残す 企業ブランド理解を促進

クロネコヤマトミュージアム、MIZKAN MUSEUM他

実体験できるコンテンツも企業ミュージアムの醍醐味。サービスを擬似体験したり、製品を通して自社の工夫や技術力を訴求したり、映像自社の歴史を体感してもらったり。来館者の体験から、より深いブランド理解につなげている例を見ていこう。

SPOT 16

ドライバーの制服を着用、集配車の乗車体験

「宅急便体験コーナー」では、ヤマト運輸セールスドライバーの制服を着用、運転席と荷台が一体となった構造のトラック「ウォークスルー車」へ乗車できる。実際に運転席に座ってみたり、立ったまま作業ができる車内の工夫を見学したりしながら、ロールボックスパレットへの荷物積みつけを体験。宅急便が届くまでの仕組みを学ぶこのコーナーは、子どもだけでなく大人にも人気。


新しい「宅急便」というサービスを創出するまでの壁も、目に飛び込む形で展示。

宅急便が届くまでの流れをイラストと映像で紹介。


東京都・港区
クロネコヤマトミュージアム

2019年に創業100周年を迎えたことを記念し、企業価値の向上や社会貢献、インターナルブランディングを目的として、2020年7月に開館。スロープをらせん状に下りながら見学できる。上から順に創業時代から未来に向けた取り組みまでを展示。ミュージアム(6階)があるビルは、7~10階がオフィスフロア、1~5階が集配拠点の営業所。「つなぐ」をテーマに顧客との交流空間として建築。

館の形態:ヤマト港南ビル内
来館者の平均滞在時間:60分
所蔵品数
:約500点 ガイドツアー有


SPOT 17

江戸時代にタイムスリップ!?記憶に残る体験を演出

ミツカングループの歴史をたどる「時の蔵」エリアでは、江戸時代に半田から江戸まで酢を運んだ和船「弁才船」をほぼ実物大で再現展示。船の甲板から見える大型ビジョンでは、当時の様子を描いたアニメーションを投影。酢を運ぶ航海を疑似体験できる。アニメーションには、浮世絵を再構築したデザインや、酢のタイポグラフィーが採用されている。

そのほかにも「天秤棒で酢を運ぶ」「樽を叩いて酢の量を確かめる」といった、江戸時代の酢づくり職人の知恵と工夫を体験できるコーナーを用意。また、昔の酢づくりを体験する「大地の蔵」エリアの梁、柱などの一部は実際の生産工場で使用されていたもの。微かな木の香りを感じることができる。


天秤棒と桶を使って、江戸時代の酢の運搬体験ができるコーナーも。

「大地の蔵」エリア中央の桶の底は覗き窓になっており、覗いてみると併設の酢の生産設備が。江戸時代から続く酢づくりの進化を伝えている。


愛知県・半田市
MIZKAN MUSEUM

2015年に体験型博物館としてオープン。ミツカングループの歴史に触れ、未来につなげるミュージアムに。半田運河沿いの蔵が...

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