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距離を縮めるコミュニケーション動画

広報が「動画」を活用するメリットは? 考えるべきコストと効果

瀧 良太(LOCUS)

コロナ禍、非接触が常態化、リモートワークの広がりも受け、オンラインでのコミュニケーションがより一層問われるようになった。そんな中、動画コンテンツの役割はますます高まっている。広報が「動画」を活用するメリットとは。活用法やコストも合わせ、広報動画の意義を考えていきたい。

YouTube
14.2万人の登録者数を持つ「BUZZ MAFF」(2022年2月時点)。2021年12月から、牛乳乳製品課の職員が牛の衣装でリズムに乗って牛乳消費の呼び掛けを行うと、Twitter上で拡散され、話題となった。

自社を取り巻く幅広いステークホルダーとのコミュニケーションを通じて、採用や資金調達、取引先、メディアとの関係構築など⋯⋯社外広報における動画活用は様々な手段がありますが、2022年注力すべきは公式YouTubeチャンネルの活用ではないでしょうか。

YouTuberだけではなく芸能人やアスリートがYouTubeチャンネルを開設するなど、新たな盛り上がりを見せていますが、動画コンテンツ制作に限らず、チャンネル立ち上げ支援や既存チャンネルのYouTube内SEO対策、運用委託などの相談がここ最近、幅広い業界の企業から増えてきました。

社外広報におけるYouTubeチャンネルの活用は大きく3つに分類されると考えています。

目的をもった真摯な発信が鍵

1つ目は動画を通じた「コーポレート広報メディア」としての活用です。いまだ、YouTubeチャンネルがCMや販促動画の格納場所となっているだけのケースも散見されますが、テーマを絞り、定期的にコンテンツを更新することで新たなファンを獲得し、組織や事業の成長に寄与しているケースが増えてきました。

他に類のないユニークな成功事例のひとつとしては、農林水産省公式YouTubeチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」が挙げられます。「国産の農林水産物や農山漁村の魅力を国民に広く知ってほしい」という思いから立ち上がった「BUZZ MAFF」は、職員自らがYouTuberとして農林水産物の魅力を動画で発信し、従来の取り組みに興味関心が薄かった若い世代の支持を集めています。

「BUZZ MAFF」での成果としては、牛乳やヨーグルトを普段より1本多く消費することを推進する「プラスワンプロジェクト」への寄与が挙げられます。

コロナ禍、給食向けに考えていた牛乳を廃棄しなければならないという危機の解決策として家庭用牛乳需要を伸ばすことに活路を見出し、BUZZ MAFF内で農林水産省の係長が牛の着ぐるみを着て「牛乳を飲んでください」と呼びかけた動画を発信。するとYouTubeから派生してTwitterで拡散。その動画はテレビなどでも数多く取り上げられ、結果的に家庭用の牛乳の消費が2割上がり、生乳の廃棄を回避することに成功したそうです。

YouTubeは検索エンジン

2つ目は「検索対策」としての活用です。Z世代はTikTokで検索する層も多いですが、YouTubeはGoogleに次いで世界で2番目の検索エンジンです。YouTube内SEO対策は広報活動において重要な施策のひとつとなります。

しかし、中には間違った情報や運営企業の意図する内容と異なる情報が検索上位に表示されてしまうケースも生じます。YouTube内で検索をした視聴者に、正しい情報を伝えるために、公式チャンネルを開設し、VSEO対策を講じることで情報のミスリードにならないようにするのです。

* Video Search Engine Optimizationの略称であり、動画コンテンツにおける検索エンジン最適化を指す。GoogleやYouTubeでの検索結果で上位表示させるために行う施策のこと。

3つ目は「採用広報」としての活用です。ウェブセミナーやオンライン面接が当たり前となり、企業と求職者が直接対面できる機会は減少しました。その中で、新たな採用広報の手段としてYouTubeチャンネルの活用が増加しています。

今まで採用広報を目的とした動画の活用シーンは、会社説明会や採用サイトが中心でしたが、とあるデータでは、企業の採用動画を視聴したメディアとして、YouTubeを選択した就活生が2019年と2020年の比較で2.5倍に増えているなど、コロナ禍が採用におけるYouTube活用をさらに加速させていることが推察されます。

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