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広告企画

従業員エンゲージメント急上昇 「動画」活用の社内報コンテンツ

エビリー

リモートワークが常態化する中、改めて注目が集まる従業員エンゲージメント。その向上のために広報は何ができるのか?「従業員エンゲージメント向上プロジェクト」第5回では、15社18名の広報担当者と専門家が集まり意見交換を行いました。

グループディスカッションを行い、動画社内報の取り組み事例や課題などについて意見交換した。

    従業員エンゲージメント

    自分が所属する組織と、自分の仕事に、熱意を持って自発的に貢献しようとする従業員の意欲のこと

    ▶組織と個人の間の関係性を規定するもの。会社が向かいたい方向に従業員が共感すると、自発的に貢献しようという意欲を引き出せる

    ▶会社の業績と従業員エンゲージメントとの間には相関関係がある

従業員エンゲージメント向上プロジェクト第5回はアドビ、エン・ジャパン、カルビー、ぐるなび、ゴールドウイン、GMOペパボ、スープストックトーキョー、セコム、東急建設、パーソルホールディングス、ハピネット、ファクトリージャパングループ、堀場製作所、三井住友DSアセットマネジメント、ゆうちょ銀行(五十音順)の広報関連部門の担当者が集まり議論。ボードメンバーとして「動画の活用で企業のDX推進を支援」をミッションに動画社内報のコンサル・制作・配信サポートを行っているエビリーが参加しました。

今回注目したのは「動画」という広報手法です。『広報会議』が113社に行ったアンケート調査では約6割が「社内向け動画の活用に関心あり」と回答。「これから挑戦したい」「強化したい」という声が集まっている領域です。では、どのように動画をコミュニケーションに活用すれば、従業員エンゲージメントを高めていくことができるのでしょうか。エビリーのビデオソリューション事業部・山本大介氏が、社内報で再生回数とエンゲージメントスコアを急上昇させた事例を解説しました。

動画活用でぶつかる壁

そもそも動画がメインの社内報は、どんなメリットがあるのでしょう。山本氏は4つのポイントを挙げました。1つ目は「動きで目を引く」ことができる点。人は動くものに目が奪われやすいという性質を社内報に活用できます。2つ目は「正確に伝わる」点。動画のサムネイル画像を見るだけでも、文章を読み込むより素早く内容をつかめます。3つ目は信頼感や説得力を生み出すのが得意な動画なら「感情でつながる」ことができる点。4つ目は「記憶に残りやすい」点。視覚と聴覚を通して感情を動かすことができれば長期的な記憶につながります。

こうした特長のある動画ですが、実際に動画社内報でエンゲージメントを上げるとなると、壁にぶつかったと山本氏は言います。

「エンゲージメントスコアアップを狙った動画を投稿しても期待したほど再生回数が伸びませんでした。アンケートをとると、『視聴する時間がない』『どの動画から見たらいいか分からない』といった声があったので、倍速視聴を促し動画は5分以内に。動画を載せているサイトのUIを変更し、迷わず動画にたどり着けるようにしましたが解決しませんでした。そこで気づいたのは視聴者の要望は表面的な課題で、動画自体の『関心の低さ』『視聴母数の低さ』を解決しなければ、エンゲージメントアップにつながらないということでした」。

視聴者の行動データに注目

そこで山本氏が注目したのは、社内報の視聴者の「行動データ」です。「部門別に視聴回数が二極化しているものの、再生回数の多いコンテンツトップ30のうち半数が自己紹介動画であることが分かりました」。

さらに、エビリーが提供する「millvi(ミルビィ)動画社内報」の分析機能を使い、「視聴者維持率」から動画の中でもよく見られている箇所を確認。また「視聴解析」によって視聴者別に誰がどこまで見ているかなどを可視化し、山本氏は「3~5分の自己紹介動画」を従業員が作成・投稿し合うイベントを企画。視聴者の再生回数に応じて景品も付け投稿を促しました。

「“自己紹介・アウトプットCHALLENGE”と名付け約3カ月間にわたりイベントを実施したところ、どの部署も視聴回数が改善。仲間同士でコメントや質問をし合う状態が生まれました。リモートワークでまだ話したことがなかった人とも会話するきっかけが生まれ、後の調査で仲間との関係性の強化や部門を超えた協力関係に好影響を与えていることが分かりました。エンゲージメントスコアは上昇し、投稿を活発に行ってくれる“社内エバンジェリスト”を見つけることもできました」(図1、2)

図1「動画社内報」視聴者の行動分析で分かったこと

図2「自己紹介・アウトプットCHALLENGE」の例
従業員自身が「自己紹介」動画を作成。3カ月で約40本投稿された

「自己紹介」動画の投稿によって「コメントし合う」状態が社内に生まれ、エンゲージメントスコアの上昇にもつながった

従業員エンゲージメントが低い層に対しては、「経営層が現場と話す」動画や、部門紹介動画を積極的に出していった山本氏。これがミッション・ビジョンの浸透にもつながりました。

動画初心者へのケア

動画の撮影や投稿が上手な従業員ばかりではないため、山本氏は、動画のサムネイルづくりに使える無料テンプレートやフリーBGMが集まっているサイトを社内に紹介。タイトルひとつで魅力的なコンテンツになることや、顔出しNGの人はこんな動画がつくれます、といった事例を提示しながらアドバイスを行ったといいます。今では新入社員が入社時に自己紹介動画をつくることが定番化しています。

エンゲージメントを上げる動画コンテンツを見つける近道は、「視聴者の行動を分析して解決策を導く“行動思考”」だと山本氏は語りました。

各社の取り組み

本プロジェクトでは、動画手法に限らずエンゲージメントの低い層へのケアなど社内コミュニケーション施策を議論しました。ここではその一部を紹介します。

スポーツアパレル企業のゴールドウインでは、2021年の10月からウェブ社内報を開始。その背景には従業員の働き方の変化やキャリア採用の増加がありました。人となりの分かる社長インタビューや社員紹介などを通じて情報共有を行い、会社が進むべき「羅針盤」の役割として社内報を位置づけています。またオウンドメディア「SPORTS FIRST MAG」は、「スポーツ・ファースト」のタグラインを掲げる同社らしい内容に。スポーツを自ら実践し業務に活かしている従業員の様子を伝えています。

総合人材サービスのパーソルグループでは、積極的なM&Aで多様な会社が集まり、国内4万人強の社員を擁しています。グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を体現する従業員を増やすことを目的に、2021年は10日間かけオンラインで様々なセッションを展開。表彰も行いました。特設サイトを用意し、告知ではイントラネットのジャックやメルマガ配信などを行った結果、任意参加でのべ9000人が視聴。グループビジョンの解像度を高め、所属するグループへの誇りを醸成するきっかけづくりを行っています。

「Quality of Lifeに貢献する最高の資産運用会社へ。」を目指すべき姿としている三井住友DSアセットマネジメントでは、従業員エンゲージメント向上のため、Question(状況調査)、Offer information(情報発信)、Lounge(社員交流)の3軸に取り組んでいます。

状況調査では合併後の2社間の意識の違いを認識するため、組織文化や職場環境についての意識を数値化。情報発信ではウェブ社内報をほぼ毎日更新。ランチタイムに資産形成に関する生配信番組も行ってきました。社員交流については、社員有志の拠出による寄付基金の支援先団体が主催するイベントへの参加や、社内ギャラリーでの作品展などを実施しています。

ゆうちょ銀行は、従業員の年齢層が幅広く、郵政省時代に入省した人、民営化後、上場後に入社した人まで様々なバックグラウンドを持つ人が働いています。2020年度からは組織文化・風土改革分科会が発足。「経営層の声が現場まで浸透していない」「現場の声が経営層まで届かない」そんな経営層と現場の目詰まり解消を目指し、役員動画の配信や社長直通ご意見箱の運用がスタート。

さらに2022年4月からは動画を含む「ウェブ社内報」が始まる予定で、インターナルコミュニケーションを重要視する動きが高まり、新たな施策への模索が行われています。

各社の取り組み

ゴールドウイン
創業の地である富山の社員から全国に広がるショップスタッフまで、全員が参加できるウェブ社内報。社員紹介やショップリレーなど各部署からの発信を重視している

パーソルグループ
グループの今を知り未来を想像できるきっかけにするために、オンラインイベントを実施。全体コンセプトや11個のセッション内容はすべて内製で企画。参加者の満足度は90%超

三井住友DSアセットマネジメント
ウェブ社内報の社員紹介は、好きな本・応援していることなどテーマを決め、社員が持ち回りで登場。コミュニケーションを促すコンテンツに

ゆうちょ銀行
従来のPDF社内報やメルマガに加え、動画施策にも着手。一方的に語りかけていく内容から、よりカジュアルな内容へと進化させ、組織風土改革を促進していきたい考え

分断を乗り越えて

「コロナ禍でコミュニケーション量が減った」「働き方が多様になったのはいいことだが、組織に対する関心もバラバラ。一体感を持ちにくい」。そんな声が読者の皆さまから届いています。コミュニケーションが分断しがちな環境に対し、動画をはじめとした新しい手法も取り入れながら、広報の視点で何ができるのか。誌面で議論を続けていきます。

    従業員エンゲージメント向上プロジェクト

    事務局(運営・メディア協力):宣伝会議

    ボードメンバー:

    プロジェクト参加希望の方はこちらから

    従業員エンゲージメント 向上プロジェクト事務局
    (株式会社宣伝会議)houjin@sendenkaigi.co.jp


    今回はスペシャルパートナーとしてエビリーのサポートが入っています

    お問い合わせ(動画社内報を試したいなど)

    株式会社エビリー

    https://eviry.com

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