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距離を縮めるコミュニケーション動画

YouTube、TikTok、ミクチャ・・・動画投稿プラットフォーム別の使い分けは?

大谷和利

GUIDE1では広報動画の多様な活用法を見てきた。本稿ではその中でも挑戦しやすい動画SNSにフォーカス。制約が少なく配信コストも低い上、再生回数も絶対数が分かるため、様々な角度から分析しやすいメリットがある一方、効果を高めるためには、SNSごとの特徴を掴むことが大切だ。

一般向けインターネット環境の高速化や携帯回線の5G化によって、消費者の情報収集手段は文字ベースから動画ベースへと急速に移行している。

特にモバイル状態での視聴が多いことや、モノよりも体験や思い出を重視するミレニアル世代の視聴者が増えたことから、企業が動画SNSを利用する場合にも、下記のようなトレンドが見られている。

* 本稿で使われる「動画SNS」は、YouTubeも含む動画投稿が可能なソーシャルメディア全般を指す

広報動画のトレンド

❶スマートフォンの画面に合わせた縦型動画の増加

❷空き時間や通勤・通学時に視聴しやすい動画時間の短縮化

❸いつでも、どこでも、片手で視聴ができることによる、ながら見の増加

❹インフルエンサーとのコラボや、自前のYouTuber的動画の増加

❺コンテンツマーケティング的なブランディング重視傾向の強化

視聴しやすさと共感がポイント

これらのトレンドを企業側から見ると、❶❷❸は、視聴体験をなるべく簡便で手間がかからず、分かりやすいものにすることで、再生回数増につながることを意味している。

また、❹❺は、広告メディアとは異なり、時間をかけても消費者の共感を得ていくことで、サステナブルな(持続可能な)ブランドイメージを構築しようとする動きの一環と考えられる。

企業サイトに勝る動画SNS

企業が動画SNSによる動画配信や、そのリンクを自社サイトに埋め込んで利用することを推進するのは、以下のようなメリットがあるためだ。

もちろん、動画SNSでの再生回数を増やすためにも、企画面での工夫や、他のSNS・ウェブサイトとの連携などが必要だが、企業サイトのみで動画を拡散させるよりも、少ない予算や労力で効果が上げやすくなる。

企業が動画SNSを活用するメリット

●動画SNSではサーバー管理の必要がなく、一部のサービスを除けば動画のホスティングや配信に伴う回線使用料が無料で済むため、予算削減が可能となる。

●企業自体の認知度が低く単独ではアクセスを獲得しにくい場合でも、動画SNS自体の認知度や利用率の高さから、動画の企画や切り口の工夫で人気を得て、いわゆる“バズる”状態をつくれる可能性がある。

●動画SNS自体がコメントや動画の視聴トレンドを分析し、人気の傾向と合致する動画をレコメンドするなど、企業サイトよりも圧倒的に高い拡散力を備えている。

●動画SNSによっては、動画末尾のチャンネル登録への誘導設定や、サービス側で生成されるおすすめ視聴の動画リストなどを通じて、潜在的なブランドのファンや顧客になりそうな視聴者に対して自動的にアプローチできる。

図表1 2020年度全世代&年代別 主なソーシャルメディア系サービス利用率(抜粋)
プラットフォーム別の普及率としては、「YouTube」「IGTV:Instagram動画」「TikTok」が3強。元の統計にもVimeoやミクチャが含まれていない理由は、前者が日本での認知度、後者はサービスの新規性(非統計対象)によると思われるが、実際にはどちらも特定の層へのアピールには適している。

出所/総務省「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」参照し一部抜粋し作成

ブランディングの方向性で選択

動画SNSは、初期には動画投稿サイトなどとも呼ばれ、その草分け的存在がYouTubeだった。今では、後発のサービスも数多く現れたが、それぞれユーザー層や投稿される動画の方向性が異なっている。

企業における動画SNSの活用には、まず...

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