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職場の多様性と経営倫理

「45歳定年」から考える、雇用の倫理

谷 俊子(関東学院大学)

企業成長の原動力として注目が集まるのが組織の「多様性」。しかし多様な従業員が集まるからこそ、生まれる課題もあります。

9月の経済同友会セミナーで、サントリーホールディングスの新浪剛史社長が「45歳定年制」について言及し、話題になりました。サントリーおよび日本企業の人事制度が今後どのように変わっていくのか、まだ詳細は明らかではありませんが、40代から50代の従業員の雇用、そして第二の人生にどうつなげていくのかという課題に対しては、すでに多くの企業で10年以上前から取り組みがなされていますので、決して目新しいことではありません。今回は2つの会社の例をもとに、その是非を考えたいと思います。

*詳しくは拙著『働き方改革と多様な働き方-キャリアの変化は楽しい』(静岡新聞社)を参照。

キャリアを模索できる制度

A社には50歳以上の社員に早期退職制度があり、50歳まで勤めると年金も出ます。社内では「50歳まで頑張ろう」が合言葉だそうです。それまでに社外でも通用する人材になることを意識しながらスキルを磨き、社外の人脈なども構築していきます。結果的に社内に残ることを選択する人もいれば、退職して新たなキャリアをスタートさせる人もいます。退職を決意した人の中には、フルタイムで責任の重い立場から、少し余裕のあるペースで社会に貢献できる働き方をしたいと考える人もいます。

B社には、満47歳以上の社員が希望し会社が認めた場合に、満50歳の誕生日まで休暇が取得できる制度があります。休職期間は無給で満50歳の休職満了日で...

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