仙台市に本社を構え、家電など年間約1000アイテムを発売するアイリスオーヤマ。新たな研究開発拠点として、2018年11月には東京に新オフィスを開設した。「フレキシブルオフィス」をコンセプトに、強みとする「なるほど」「便利」な商品を生み出している。


執務エリアには背の高い棚やロッカーは置かず、遠くまで見渡せる。またフリーアドレス制の特長を活かし、話し合いながら作業を進めるようなときにも使いやすいように、デスクのレイアウトをあえて小さいセットにしている。
様々な生活用品を企画・製造・販売し、近年ではユニークな家電製品を次々に発表しているアイリスオーヤマ(仙台市)。これまで東京にはなかった研究開発の機能を持つ拠点として、新たに東京本部を設立した。
既に大阪では2014年8月、研究開発の拠点である大阪R&Dセンターを設立している。ちょうどその頃、大手家電メーカーを辞めて新たに手腕を発揮する場を求める40、50代の技術者たちが多くおり、アイリスオーヤマはその受け入れ先となった。より多くの人材が集まる東京にも、拠点が必要だと判断した。
多くのメディアでも報じられてきたとおり、グループの新商品開発に対する考え方は実にユニーク。まずはコンセプトを明確にし、ユーザーから「なるほど」「便利」と感じてもらう製品を生み出すことを第一としており、想定販売価格も先に決める。新商品開発会議は毎週月曜日に行われ、商品に携わるすべての部門が一堂に会し、情報共有しながらスピーディーな商品化を実現してきた。
東京の新オフィスのコンセプトは「フレキシブルオフィス」。様々な働き方をする社員たちそれぞれが快適に仕事できるように工夫されている。さらにオフィスで使われている家具や照明、家電製品などの多くは自社製品が占める。来訪者にデモを見せるなど、ショールームとしての役割も果たしているのだ。
「創設者でグループの会長を務める大山健太郎のモットーは『ロングセラーに頼らない』。その言葉を象徴するように新商品開発会議は毎週実施され、年間約1000アイテムを新たに発売しています。また発売から3年以内の新商品の売上が全体の半分を超えることを目標とし、それを実現し続けています」と、広報を担当する稲村香織さんは語る …