東日本大震災後の2013年に生まれた岩手発のサバ缶「Ça va?缶」。デザイン性の高いパッケージと洋風フレーバーが話題を集め、累計販売数が1000万缶に到達している(2023年3月末時点)。サバ缶ブームの先がけとなった同製品の販促戦略について、東の食の会 専務理事の高橋大就氏に話を聞いた。
東日本大震災発生の3カ月後に立ち上げられた「東の食の会」。洋風サバ缶「Ça va?缶」(以下、洋風サヴァ缶)は、そんな「東の食の会」が企画した商品だ。

2013年に生まれた「Ça va?缶」。岩手缶詰が製造を、岩手県産が販売を担当している。
食産業におけるサバ缶の価値を向上させる
カラフルなパッケージと、今までのサバ缶にはなかった洋風フレーバーが話題になった同商品。東の食の会 専務理事の高橋大就氏は会の当初の目的を「東北の生産者と食品販売事業者とをつなげ、販路を回復させること」だったと話す。
「一度全国流通しなくなった東北の商品をまたスーパーなどで展開してもらうためには、今ある他社商品よりも高い価値を新商品で感じてもらう必要がありました。今流通している商品と同じレベルでは、それに代わって売り場を獲得することは...
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