花王が展開する日焼け止めブランド「ビオレUV」シリーズが、リテールメディアの活用で成果を出している。出稿メディアはMatsukiyo Adsだ。「ビオレUV」はリテールをどのように使っているのか。目的や運用していて感じる活用可能性に迫った。
花王が展開する日焼け止めブランド「ビオレUV」シリーズは、2021年からマツキヨココカラ&カンパニーが運営しているリテールメディア「Matsukiyo Ads」への広告出稿を開始している。成果も着々と伸長させ、今年で3年目の活用だ。
「ビオレUV」ブランドを担当している同社の小原聡太郎氏によると、最初にリテールメディアへ出稿した目的は、日々変化する生活者のニーズに対応することだったと話す。コロナ禍を経て価値観が多様化した中では、生活者の本当のニーズを捉えるのが難しくなったことと、マーケティング課題として持っていたリテンションの獲得が背景にあるという。
「生活者のニーズの変化は日焼け止め市場でも顕著に表れています。そんな中でマーケティング効果の最大化を図っていくためには、今までのようなPDCAサイクルを回すだけでは追いつかなくなっていることを課題に思っていました。特にコロナ禍を経た生活者の価値観変化は大きく、これまでよりも『本当のニーズ』を掴むことが難しくなってしまった印象です。そこで、始めたのがMatsukiyo Adsでの取り組み。『ビオレUV』が、今の生活者にとってどのようなベネフィットを提供できるのかを検証するうえでも、リテールメディアの活用は不可欠だと考え、開始しました」(小原氏)。
「ビオレUV」が2021年に開始したリテールメディアの取り組みは、当ブランドの新製品『水層パックUV』のマツモトキヨシ店頭でのテスト販売と連携させたレビューキャンペーン施策。Matsukiyo Adsに集まる購入者のレビューからインサイトを把握し、それらのレビューをよりニーズに応えた商品開発を実施する目的でリテールメディアの活用をスタートさせたという。
認知から購買までジャーニーを可視化
そのような目的があるなかで開始した「ビオレUV」のリテールメディア施策だが、実際に広告を出稿したのはマツキヨココカラ&カンパニーが運営しているYouTube、公式LINE、アプリバナー、メールマガジンの4つ。いわゆるオンラインを主な広告の出面にしている。「ビオレUV」では、なぜデジタルを配信先に選んだのか。
「リテールメディアの特長は、認知から購買までのジャーニーを可視化...