新規顧客獲得のために行われるポスティング。しかし、その先には獲得した顧客に「継続的に自社を使い続けてもらう」という、新たなハードルが存在する。より長く自分たちのサービスを使用してもらうためのアプローチとは。
傷害保険や医療保険の販売を行うAIG損害保険。同社からは、新規獲得した顧客に「いかに継続してもらうか」の視点でつくられた「年代別内臓リスクチェックDM」の成果について話を聞いた。
イメージしやすい事例
まず、保険代理店で保険を販売する業態の同社では、商品部門で製作したチラシを各販売代理店に送付している。そのチラシを使用した案内で、新規顧客の獲得につなげているという。代理店の方に案内してもらいやすいよう、工夫しているポイントについて、同社の傷害・医療保険部 個人傷害・医療保険グループ グループリーダーを務める八江崇文氏はこう話す。
「保険の概要を説明するだけでなく、治療内容に応じた支払事例も掲載しているのがポイントです。補償内容を詳細に記載することで、『入院中のペットシッター料金や清掃代行サービス業者の費用補償』といった充実した補償内容を訴求しています。案内していただく代理店の方が、当社商品の強みをより効果的に話せるような構成を意識しています」。
しかし、保険には1年契約だけでなく、10年といった長期の保険期間があり、顧客は保険期間が満了する際に「契約を更新するかしないか」という判断をしなければならない。
つまり、顧客のライフステージやその時の不安に応じた商品をその都度提案していくこと、既存顧客の「継続契約」を促すことが必要になる。新規顧客を獲得したとしてもこちらからアプローチする機会がなければ、継続的な自社商品の選択は見込めない。この点は、どの業種業態でも同じことが言えるだろう。
「契約継続」への課題
様々な商品を一人ひとりのニーズにマッチしたかたちで提案するためには、顧客のその時の悩みを知り、自社商品について考えてもらうきっかけをつくることが必要だ。
同社 マーケティング部 個人セグメントグループのグループリーダー...