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REPORT

私はなぜ築地問題を図解したか あいまいになるプロ・アマの境界

築地市場移転問題

築地市場の移転が遅々として進まない。メディアでは連日、さまざまな報道がなされるが、その内容に疑問符を浮かべる人は多い。高橋洋介氏もその一人だ。一般企業の会社員ながら、公開資料を読み込み、築地市場にも足を運んで、問題を図解した本を出版した。その目には、市場移転だけでなく、メディアの抱える問題が映っている。

「いろんな人が疑問を投げかけているのに、どうして話が伝わらないのか」─高橋洋介氏。

自分の目で見て自分のアタマで理解する

高橋洋介氏は現在36歳。宮城大学の卒業後、独立。玩具店を開いたが、機に恵まれず看板を下ろすことになった。いまはEコマース事業を持つ企業に勤めている。

宮城大では、久恒啓一氏(現在は多摩大学教授)のゼミに入っていた。そのころ図解を習っていたことを思い出し、「時事問題なんかをわかりやすく伝えてみたい」と考えを巡らせていたという。

おりしも、音喜多駿都議のブログを読み、築地市場移転について知った。「大学では事業計画を学んでいたので、食品衛生や会計、流通、ITについてのひととおりの土台はありました。それくらいの知識でも、築地の施設がいまの時代に合わないことが伺えました」

Twitterやブログで疑問点を投げかけ始めると、同じ思いを持つユーザーとの接触が始まった。場内の関係者から誘われ、築地市場の見学にも赴いた。前述の音喜多都議の会合に参加したり、築地の仲卸の人物と話したりする機会も得た。

いろんな人が疑問を投げかけているのに、どうして話が伝わらないのか。「ネット上でもそれ以外でも、この移転問題は、各分野の有識者が多く参加しています。ただ、リテラシーの高い人にしか伝わっていないのかな、とは思っていました」

文章ではどうしてもインパクトの強いキーワードがひとり歩きする。はじめから終わりまで読まないと内容をつかめない文章も少なくはない。「図解すれば、本質をつかむのには役立つかと思ったんです。言葉だけだと、価値観の違いでミスリードも生まれやすい」

あるとき、知人が「Amazon.co.jp」上で電子書籍をセルフ発刊できるサービスを使ったところ、記者から連絡があったという話を聞いた。それを利用すれば、もっと多くの人に知ってもらえるかもしれない。「電子書籍の文量は、ふつうの会社員が、通勤の行き帰りなど、1時間くらいで読み切れるていどを目ざすことにしました」

会社勤めのかたわら、さっそく制作に取りかかった。図解ひとつにつき、制作時間は3日かかる。資料からキーワードをひろい出すのに1日、キーワード同士の関係を明らかにして図にするのに1日、説明文を書くのに1日。少しずつ着実に …

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