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スタートアップから市場活性化を考える

本庄裕司教授(中央大学)

自らが起業経験を持つ本庄裕司教授は、集積したデータを元に起業後の変遷やスタートアップをする人のアントレプレナーシップを研究している。市場活性化の面で期待されるより多くの起業家の誕生は、どのような環境で実現するのか。

学生は興味の持つテーマを研究し、グループでの発表も行う。

国内市場を活性化させて雇用創出やイノベーションを促すためには、起業家の活躍できる社会が必要だ。そんな社会を目標に、創業間もないスタートアップ企業や起業家の持つアントレプレナーシップ(起業家精神)に注目した研究に取り組むのが、中央大学教授の本庄裕司氏。同氏は、エンジニアとして電機メーカーに勤務後、脱サラして友人と一緒にデザイン会社を創業した経歴を持つ。企業での勤務、そして会社の設立といった経験が今の研究につながったと話す。

起業後、生き残る企業と消えていく企業の違い

「特に関心があるのは、生き残る企業と消滅する企業にどのような違いがあるか、また、成長する、あるいは、イノベーションを起こすのはどのような企業かといった点です。それに関連するデータを集めて解析します。統計的な視点から、どのような特徴があるかを検証しています」。

生き残りやすい企業の特徴のひとつは、初期時点での資金調達や資本構成にあるという。多額の資本を持つ企業は生き残る可能性が高く、負債に頼らない資本構成も重要だ。また、公的支援に頼る企業は必ずしも雇用や売上を伸ばさないという。初期に金融機関からの借入が制約される中、内部で資金を調達して生き残った企業が市場での学習を通じて成長していく。

資本構成や資金調達以外に、起業家自身の持つ人的資本も重要だ。平均的に学歴の高い起業家の経営する企業は成長しやすく、また、こうした人たちは資金調達を行う能力も高い。その点で教育が一定の効果を発揮する。

その一方で、高学歴の起業家が多く資金調達額が大きい割には、十分な成果をあげていないのが医薬品系バイオベンチャーだ…

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