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BtoB企業のソートリーダーシップ戦略

freee中東氏が考える、BtoB企業に必要なソートリーダーシップ確立のプロセス

中東孝夫氏(freee)

企業が掲げる理念やミッションを分かりやすく伝え、業界内でのリーダーシップを確立するにはどのようなプロセスが必要なのだろうか。長年BtoBマーケティングに携わり、現在freee執行役員VP of Marketingとしてセントラルマーケティングを統括する、中東孝夫氏に話を聞いた。

ショートリスティングへの対応 購買サイクルで生き残る戦略

私はBtoBマーケティングにこそ、ソートリーダーシップ戦略が必要だと考えています。なぜ、必要なのか?その答えはBtoB商材の購買サイクルを考えると見えてきます。

BtoC商材のマーケティングの場合、AIDMAやAISASといった態度変容モデルをベースに、フェーズごとの課題を深耕して施策を考えていきます。一方、BtoB商材の場合は購買に至るプロセスが大きく異なります【図表1】

図表1 BtoBの購買サイクルとソートリーダーシップ

ここではAttention(認知)ももちろん大切ですが、ターゲットとすべきは顧客個人の心理ではありません。企業に対してソリューションやプロダクトを提案する際、「現状維持」の状態にどうやって働きかけるか。そして検索の段階で認知されるには、十分なコンテンツとストーリーが重要になります。さらに購買プロセスが進む中、ショートリスティングで候補企業の数は絞られていきます。ここで生き残るためには、“信頼”や“ブランド力”だけではない、当該分野でのリーダーとして認識されていることが重要になるのです。

影響力が高いのは第三者の評価 メディアとの関係性も活用

それでは、ソートリーダーシップ戦略はどのように実行に移していけばよいのでしょうか。オウンドメディアを通じた発信も考えられますが、影響力が高いのは、やはり第三者による発信です。

打ち出す戦略を明確化するにあたって私がまず活用するのは、メディア企業の視点です。例えば、編集タイアップ記事を出稿すれば、各メディアの編集者が、“こういうストーリーであれば読者に受け入れられる”という切り口を、考えてくれます。

編集部との議論で得られた知見はオウンドメディアのコンテンツにも生かされます。育成視点ではチームメンバーにコンテンツをつくってもらうことで、社内の編集力やストーリーテリング能力を向上させていくことにつながります。

そしてある程度、ストーリーが研ぎ澄まされた頃に、役員へのインタビューを仕込む。そうすると経営者の目指すものが言語化されていきます。さらに...

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