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人気メディアの現場から

老舗経済誌のデジタルシフト 有料サブスク会員は3万人超

ダイヤモンド社 浅島亮子

報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。

ダイヤモンド社『週刊ダイヤモンド』「ダイヤモンド・オンライン」DATA

「ネットの無料記事も多い中、雑誌は厳しいのではと思っていた」(浅島氏)と語るChatGPT特集。実践的な内容で5年ぶりの重版に。

創刊 1913年5月
発売日 毎週月曜日
発行部数 約5万6000部(ABCレポート2022年7月~12月)
月間PV 7528万PV(2023年1月~3月平均)
編集体制 約40人。他部署と連携しながら、デジタル記事や雑誌特集の分析を行う。

創刊110年の歴史を持つ経済誌『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)。2019年6月からデジタルメディア「ダイヤモンド・オンライン」で月額1980円のサブスクリプションサービス「ダイヤモンド・プレミアム」をスタートして以来、デジタルで公開した記事を雑誌用に再編集するというデジタルファーストへと舵を切った。現在、有料会員数は3万5000人を超え、順調にその数を伸ばしている。

主な読者層は40~50代のビジネスパーソンで、経営の中枢に携わる意思決定層が多い。

セブン、楽天の特集がヒット

2023年7月から新編集長として両媒体を束ねるのは、『週刊ダイヤモンド』の記者として電機・自動車業界などの取材に注力してきた浅島氏だ。「2000年の入社以来、『雑誌は不況だ』と言われ続けてきましたが、初の右肩上がりのビジネスがこのデジタルのサブスクサービスです。有料会員数と雑誌の発行部数を合わせると9万部を超え、10万部という次のステージも見えてくる。雑誌のピークの数字に匹敵するような影響力が持てるメディアになっていると実感できてきたのは大きいですね」(同氏)。

ダイヤモンドの強みは、ひとつの産業やひとつの企業に特化したスクープや解説特集だ。「セブンDX敗戦」(2022年1月~3月公開、全18回)特集では、編集部が独自入手した内部資料などをもとに、セブン&アイ・ホールディングスが巨額を投じて進めたDX戦略が崩壊に追い込まれた裏側を報じた。1特集あたり100人の有料会員獲得が目標のところ、同特集では過去最高となる約2000人を獲得。2023年6月~7月公開の「楽天解体寸前」特集(全9回)では、楽天グループの危機的な財務状況をつまびらかにし、約500人の有料会員を獲得した。

楽天グループを襲う危機の実態を明らかにした特集「楽天 解体寸前」。内部資料や関係者証言をもとにした他メディアでは読めない独自の内容で、多くの有料会員数獲得に寄与した。

「コロナ禍でリアル取材ができなくなったり、現在も依然としてオンライン取材や会見で済ませる企業も多かったり...

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