日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

           

プレゼンの心得と伝わるビジュアルの基本

テレビリサーチャーに聞く!メディアが興味を持つ情報整理&プレゼン術

喜多あおい氏

様々なテレビ番組の情報調査を行う「テレビリサーチャー」。実はテレビ番組の多くが、リサーチャーによる情報調査を活用して制作されている。本稿では、長年リサーチャーを務める喜多あおい氏に広報担当者が知っておきたい情報整理&プレゼン術を聞いた。

テレビ番組リサーチャー
喜多あおい(きた・あおい)氏

テレビ番組リサーチャー。ズノー執行役員。同社知的生産計画室「辞書と事典の資料室」室長。1964年神戸生まれ。大学卒業後、出版社勤務、新聞社での有料新聞記事データベース構築、作家秘書などを経て、1994年よりテレビ番組リサーチャーの活動を開始。放送ウーマン賞2014受賞。

リサーチャーの仕事とは

──喜多さんは現在、どのような仕事をしてらっしゃるのでしょうか。詳しく教えてください。

今はテレビ番組のリサーチャーとして以外にも、企業の方からもリサーチの依頼があります。

具体的には、商品・サービスに対する消費者調査などです。しかし、いわゆる一般的なマーケティングリサーチと異なり、今SNSの発達で個人が直接声を発することのできる時代になっている──そんな中で、より企業が欲しい情報、つまり生活者の“本音”を聞き出す調査、というのを私は行っています(詳細は下記)。

では、テレビ番組のリサーチャーとしての業務を簡単にご説明します。一般的にリサーチャーは、情報バラエティやドラマ、ドキュメンタリーなど様々な番組の担当者から依頼を受け、その過程で必要な多種多様なリサーチ業務をおこなっています。

私の場合、企画の案出し、ブレインストーミングの段階で、プロデューサーや脚本家の方々に、プレゼンする機会も多くあります。

また、ドラマ番組のリサーチはここ15年継続して行っていますが、近年の私の業務の中では大きなウエイトを占めるようになりました。内容は、例えば脚本家の方の「こういったテーマの作品を手掛けようと思うんだが、実情を把握したい」といった要望に対し、実態を調査するわけです。

──2007年に日本テレビ系列で放送された『ハケンの品格』(第1シーズン)が初めてのドラマ調査だったそうですね。同作品も派遣社員のリアルな心情が描かれていたと思いますが、やはりリサーチャーの方が集めてきた情報が番組に大きく影響する、ということでしょうか。

「大きく影響」というよりは、つくり手の発想の「きっかけのスイッチを押す」といったことだと思います。リサーチャーはあくまで縁の下の力持ち、と私は考えます。

バックキャストで考える

──広報の業務のひとつであるプレスリリースの作成。しかし、なかなかメディアの方たちに読まれない、などのお悩みも。そこで、テレビリサーチャーの業務の一環であるレジュメ作成からヒントを得たいのですが、資料作成の際、意識されていることはありますか?

意識していることはたったひとつです。「ゴールから考えること」。別の言い方をすれば、「自分が言いたいこと・調べたいことを言ったり調べたりしない」ということです。そのレジュメの読み手がテレビ局の関係者なのか、もしくは番組を通り越して、直接的な消費者なのか、誰を読み手と捉えるかでレジュメは構成から内容まで何もかも変わります。

例えば、テレビ局の関係者なら、彼らは忙しくてなかなかじっくり資料を読む時間がない。であれば、ファーストインプレッションが大切です。そこで興味を...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

プレゼンの心得と伝わるビジュアルの基本 の記事一覧

ブランディングにつながる写真選び 続きが読みたくなる仕掛け
Instagramのビジュアルづくり「瞬時に心を動かす」3ステップ
テレビリサーチャーに聞く!メディアが興味を持つ情報整理&プレゼン術(この記事です)
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する