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コロナ禍でもできる周年企画

100年続けてきたパンづくり 創業の想い「社会貢献」を全社員に

敷島製パン

社史や理念、事業の意義を見直す機会となる周年をどのように迎えるか。長寿企業から学びます。

創業記念日の6月8日に周年記念広告を全15段で掲出。100年間「パンを焼きつづけました。」という年表で、挑戦し続けてきた姿勢を表している。

名古屋で創業し、「Pasco」ブランドで愛されてきたパンメーカー敷島製パンが2020年100周年を迎えた。2016年から創業100周年準備室と委員会を立ち上げ、創業の理念にある「社会に貢献する」という想いに全従業員が立ち返り、また社外へも発信できる場をつくっていった。「いつの時代も、社会とともに。」という周年メッセージと稲穂を手渡しするデザインのロゴマークでは、100年の歴史と変化の中でも創業時からの「社会貢献」の精神が変わらないことを表現している。

創業100周年準備室でチーフを務めた森本恵美子氏は「リアルでのイベントも準備していたのですが、コロナの影響で中止せざるを得ない状況でした。しかしその分社内コミュニケーションや、オンライン上での施策を強化して、より多くの消費者の皆さんと交流が出来る方法を考えることにつながったと思います」と振り返る。

ファンの姿が見える周年

創業記念日には全15段の新聞広告を出稿した。メイン商品である食パンの中にこれまでの100年間、どんな時代においてもパンをつくり続けてきた事実を年表で伝えるデザインは、食シーンの変化の中でも挑戦を続けてきた実直さを伝える意図があった。

「SNS上ではファンの方々が好意的なコメントやお祝いをしてくれました。また、その広告を使ってバッグを手づくりして贈ってくださった方もいらっしゃいました。私たちも愛されてきたブランドであることを再認識できましたし、ファンの方とこのようなコミュニケーションが取れたのは100周年で伝えたかった想いがこの広告でしっかり伝えられたからだと思います」。

周年を機に立ち上げた社内コミュニティ「100th Anniversary Gathering」では、こうした社外からの反応もシェアし、準備室のメンバーだけで終始しない社内コミュニケーションを心掛けた。

「このコミュニティが立ち上がったことで、社員同士の交流も活発になりました」と森本氏。コミュニティ内では...

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