報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
『WWDジャパン』編集部DATA | |
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1979年の創刊以来、日本唯一のファッションビジネスの週刊紙として国内外の業界の動向を伝える『WWDジャパン』(INFASパブリケーションズ)。ファッション全般を網羅し、「クリエイション」と「ビジネス」の2本を大きな柱として、ファッション業界人を中心に厚い支持を得ている。
1910年にアメリカの出版社フェアチャイルドが創刊した「WWD(Women’s Wear Daily)」の日本版として誕生。2019年で40周年を迎える。独自取材やコレクション・レポート、トレンド分析、マーケット情報、経営者やデザイナーのインタビューなど、様々な切り口で発信し続けてきた。
ウェブと同じ記事は出さない
編集長の向千鶴氏は「ニュース媒体として出し惜しみせずに、できる限り早くウェブに記事を掲載していくことを方針としています」と、"ウェブファースト"を掲げる。取材のアウトプット先も、TwitterやFacebook、InstagramといったSNSへの投稿が最初。次に『WWDジャパン』と美容業界専門紙『WWDビューティ』の2媒体を統合したウェブメディア「WWD JAPAN.com」、これらの定期購読者に向けて発信しているPDF版日刊紙「デジタルデイリー」と、順次掲載していく。
一方、毎週月曜日に発行する『WWDジャパン』の紙面は、「ウェブに無料で出した内容をそのまま紙に掲載しても価値は生まれないので、同じ記事は基本的に出さない」という。複数の記事をまとめて共通項をもたせた現象としてページにまとめたり、追加取材をして記事を掘り下げたりして、紙面ならではの価値を生み出している。
編集部には、向氏が「最大の財産」と語る18人の記者たちが在籍。編集部に蓄積されたデータやグローバルなネットワークはもちろん、個々の情報収集力や分析力を武器に、ウェブと紙の両方を担当する。ファッションは...