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メディアの現場から

工場の改善工夫を網羅した専門誌『工場管理』

日刊工業新聞社『工場管理』

報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。

『工場管理』編集部DATA
  • 部数:3万6500部
  • 発行:毎月20日
  • 定価:1420円(税込)
  • 創刊:1955年。国内唯一の「現場改善雑誌」。創刊第1号と同じ特集「中小工場の体質改善」を900号記念号(2019年3月号)でも取り上げた。「65年の時を経ても現場が抱える課題は変わらないと分かります」。
  • 形態:B5判
  • 職種別読者データ:
  • 『日刊工業新聞』で知られる日刊工業新聞社では、関連領域で複数の専門誌を発行している。そのひとつが『工場管理』だ。同誌は製造業における生産現場の改善手法や人づくりの情報を経営者や工場長、現場の管理者に届けている。

    各社の改善活動の奮闘を伝える連載ページが「闘う!カイゼン戦士」。2019年5月号では「天使のはね」ブランドで知られるランドセル製造のセイバンを取り上げた。現在、大手企業も市場に参入し、少子化で多品種少量生産が求められる業界。トップシェアの同社も作りすぎのムダをなくすため、役割のあいまいな作業台や仕掛け品を置くスペースをなくし生産ラインの短縮を実現。結果、発注から納品まで100日かかっていたのを5日に短縮したケースもあると伝える。

    本連載は親交のあるコンサルタントの紹介や日刊工業新聞の本紙記事などをもとに取材することが多いが、「改善による成果が客観的に分かるデータや、社員が頑張るエピソードがあれば企業サイドからの情報提供も歓迎します」と編集長の永井裕子氏は語る。

    毎号の特集は、製造業のトレンドや人材関連のテーマが多い。2019年5月号の特集「今こそ始めよう!健康経営」では、高齢者や障害者雇用を進めるコーケン工業(静岡・磐田)をピックアップ。社員の29%が60歳以上で、梱包を担当する90歳の男性、ろう付け作業を行う77歳の女性も活躍すると伝える。直近では2019年12月に日刊工業新聞社が主催する「国際ロボット展」が開催されるため、ロボット関連の話題にも注目しているそうだ。

    毎号、各社の工場長や生産部門を統括する人物にインタビューするのが「拝聴!ニッポンの工場長」。2019年6月号では、NECプラットフォームズの工場を統括する女性役員が登場した。女性エンジニアは1人きりだった時代を経て部長職に就いたエピソードも。それまで1人で何でもできると思っていたが、ある工場で教えられた生産ラインの作業を自身はまったくできなかった経験から「全員で当社のモノづくりを支えているのです」と語る。

    このコーナーは主に企業の広報部門に依頼をするものの、工場長という忙しい立場のためか取材に至らず、苦戦することもあるという。今までは比較的大手の企業を中心に依頼していたが、「今後は、業務と人を束ねるリーダーの話がうかがえるなら規模にこだわらず取材を検討したいです」と永井氏は語る。

    多品種少量生産に応じてランドセルも変化(19年5月号)
    流通大手の市場参入や少子化などによりシェアトップ企業であるセイバンも変貌を迫られる。同社のモノづくりの改革のさまを追う。

    工場長インタビューから産業の変容を追う(19年6月号)
    NECプラットフォームズの女性生産本部長が登場した回。入社当時、所属部署で女性エンジニアは彼女1人で「出張に行かせてよいものか悩まれた」と打ち明ける。

    工場現場やオフィスで役立つ改善や工夫を毎号掲載(19年6月号)
    「わが社のイチオシ!改善アイデア」のコーナー。この号では、土足禁止の事務所内でスリッパの戻し方がバラバラで見栄えが悪かったのを改善し、元の位置に置くために工夫したマークを取り上げた。

    IoTや人づくりは人気の2大テーマ(18年4月/19年4月臨時増刊号)
    IoTに関する臨時増刊号は2017年に出し完売。翌年には『よくわかる中小企業のためのIoT導入ノウハウ』も刊行。3月に発売した『儲かる会社のリーダーシップ』は管理職のための教科書として活用され好評を得ている。

    年間の定番企画
    1. 拝聴!ニッポンの工場長(19年6月号「NECプラットフォームズ執行役員常務生産本部長 渡邉祐子氏」など毎号掲載)
    2. 闘う!カイゼン戦士(19年5月号「つくりすぎのムダを退治して、需要に合わせたモノづくりへ セイバン」など毎号掲載)
    3. わが社のイチオシ!改善アイデア(19年6月号「モドリッパ」など毎号掲載)
    最近のヒット企画
    1. よくわかる中小企業のためのIoT導入ノウハウ(18年4月臨時増刊号)
    2. 新入社員必読!はじめてのモノづくりと基本用語集(18年7月号)
    3. 900号記念企画「工場管理を未来へつなぐ!新たな時代の生産革命」(19年3月号)
    編集体制

    編集部員は3人。取材は主に生産現場での5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)や改善活動の取り組みを扱う。

    日刊工業新聞社
    出版局
    『工場管理』編集長
    永井裕子(ながい・ゆうこ)氏

    2008年同社に中途入社。2014年同誌担当に。2015年から編集長を務める。「工場革命をモチーフとした連載小説などの新機軸を加え、新たな読者層にもアプローチしたいと思います」。

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    工場の改善工夫を網羅した専門誌『工場管理』(この記事です)

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