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AdverTimes DAYS 2022 レポート

「ユーザーへの深い理解」と「一貫したパーパス」がバイトル好調の秘訣

堀 一臣氏(ディップ)

情報の差別化が難しく、常にユーザーから比較されながら利用されている求人サイト。コロナ禍も相まって採用が難しくなる中、「バイトル」などを運営するディップはコロナ禍でのV字回復を達成。その方法について、堀氏が解説した。

「バイトル」など、当社は主に人材サービス事業を展開している会社です。コロナ禍で労働環境は大きく変化し、少子化も相まって、若年層にリーチするのがとても困難になりました。そんな環境の中、当社は2021年12月から2月期で前年比43%、3月から5月の直近についても前年比40%も売上を伸ばすことができました。また、求人メディアにおいて最重要である「応募数」についても、過去最大の数字です。この好成績の鍵となったのは、2021年11月に開始した「ディップインセンティブプロジェクト」です。

このプロジェクトは平たく言うと、「当社から企業へ時給アップの働きかけをする」ものです。企業が時給をアップすると、当然ユーザー(求職者)のメリットになります。働きかけを行った当社としては、高時給案件をサイトに掲載することで同業他社との差別化ができますし、時給を上げた企業としても応募が増えるので、経営力向上に繋がります。このように「三方良し」の施策が、「ディップインセンティブプロジェクト」です。

では、このプロモーションはどのような考えで生まれ、どこに気を配ることで成功へとつながったのか、お話しします。

まず、今回のプロモーションの基盤として重要だったのは、「ターゲットの理解」です。バイトルにおいてメイン層である、学生を中心とした若い方々。彼らの抱えている課題を理解するために、デプスインタビューを行いました。そこで判明した若年層の価値観として、特徴が二つあります。

一つ目は、「広告を信じていない。広告然としたものは見透かされるし嫌われる」という点です。デジタルネイティブである彼らは、日々非常に多くの情報に接しているため、大変敏感であり、広告らしさを嫌います。

二つ目は、「社会的な取り組みに関心があり、周囲に配慮できることがかっこいいとされる」という点です。SDGsやダイバーシティといった大きな話はもとより、「電車で人に席を譲ることができる」や「人の話を優しく聞いてあげられる」といった、周りに配慮ができる余裕のある人物像に強い憧れを持っています。非常に成熟した価値観を持っているということを踏まえておく必要があります。

売上増の大きな要因となった「ディップインセンティブプロジェクト」。求職者を理解することからはじめ、ユーザーに合ったコミュニケーションを徹底して行うことで、「三方良し」の施策を実現した。

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