立命館大学は昨年9月末より、イオンリテールとの産学共同授業を実施。授業を受講する学生は、フィールドワークとアンケート調査を通して、「イオンスタイル新茨木店」の課題をとらえ、学生ならでは目線でその解決策を提案した。
フィールドワークとアンケートで 根拠ある課題設定と提案
立命館大学経営学部・金昌柱教授が担当するマーケティング・リサーチ科目では、「イオンスタイル新茨木店」と連携した産学共同授業を実施。2019年10月14日には同店の福田数昭店長から、同科目を受講する学生に対し、「イオンスタイル新茨木店の店舗取り組み課題と今後の課題」について説明。2020年1月20日に、3つのグループがそれぞれ行ったフィールドワークとアンケート調査を基に課題を設定し、その解決策をプレゼンテーションした。
同店は、G.G(グランド・ジェネレーション)世代が集い・交流する街の「コミュニケーションオアシス “Life Station 新茨木”」をコンセプトに2017年6月3日にオープンした総合スーパー。商品だけではなく、“コト”も提案する店舗として、G.G世代をターゲットとしたイベントも積極的に実施している。
1つめのグループは、「イオンスタイル新茨木店さんの現状の問題点と対策」というテーマに設定し、2019年12月11日〜13日の9時〜19時の期間、店頭での聞き取り調査を実施。年齢や交通手段、来店頻度と満足度(価格・品揃え・立地のどこに満足したか、とその理由・意見)を聞いた。調査の結果から、来店客の75%がメインターゲットである50歳代以上だという結果が出たが、年齢と満足度の相関関係がなかったことから、G.G世代向けのシフトができていないのではないと分析した。
また、アンケートで得た不満点と店舗でのフィールドワークから、子ども用品や子ども向けの施設が充実してないという点や、はみだし陳列も多く見られる店舗のレイアウトの煩雑さという点も課題として挙げた。加えて、店舗のスタッフへの聞き取り調査も実施。セミセルフレジの設置がメインターゲットへ向けた戦略と逆行しているのではないかという点も課題として分析した。
このような現状から同グループは、店舗の取り扱い商品の統一感を出すため、品揃えの再構築を提案。また、品揃え再構築に併せて、レイアウト全体の見直しの案も提示した。具体的には、不満点としても挙がっていた、玩具など子ども向け商品や施設を充実させることで、孫を持つG.G世代に向けた提案を強化するべきとした。また...