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THROUGH BOUNDARIES

私たちが一緒に働くとき、私たちが共有しているもの

朱 喜哲(哲学者/プランナー)

(写真=123RF)

2020年春、日本は新感染症の世界的な拡大という、少し前には想像できなかった事態の渦中にある。前回、「分業」と「協業」についてマルクスを参照したが、私たちの「働き方」にも大きな変化が生じている。

つい先日まで、一緒に働く同僚たちと同じオフィスで空間を共有しているのが日常だった。しかし、その日常は失われてしまった。マルクスの時代とは比較にならないほどICT環境が充実し、私たちは空間を隔てた協働にも慣れていたはずである。それなのに、職場に行けないというだけのことで思いがけない孤立感を抱いている方も少なくないはずだ。どうすれば、その孤立感を癒すことができるだろう。

研究の世界でもラボ単位で協働する分野は多いが、哲学など人文社会系では多くの場合ひとりで仕事をする。同じ職場に協働を行うような同僚が在籍することはまずない。そんな哲学者たちが、「一緒に働いて」いる仲間たちと何を共有していると考えているかを問うことは、そのヒントになるかもしれない...

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