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話題のプロモーション 企画書を大公開

人気グラビアアイドルがお出迎え 盛況する「週プレ酒場」ができるまで

加我俊介氏(電通)

2017年6月10日、新宿・歌舞伎町にオープンした「週プレ酒場」が盛況だ。『週刊プレイボーイ』の50周年特別企画として誕生した1年間の限定オープンで、雑誌のリアル版店舗でもある。企画考案から実際の店舗開発まで手掛けた電通のコミュニケーションプランナー加我俊介氏が、その舞台裏を語る。

電通 コミュニケーションプランナー 加我俊介氏

グラビアアイドルが出迎える酒場で新たな読者を獲得

「週プレ酒場」は、『週刊プレイボーイ』創刊50周年の特別企画として誕生したコンセプト居酒屋です。50周年記念事業では、50年分の誌面を総ざらいし、全320ページに編纂した記念ムック本『熱狂』の制作が決まっていたのですが、出版物だけでは新たな読者の獲得にはつながりません。

「(プレイボーイには)まだまだパワーがあります!」と伝えたいものの、現在はやはり出版不況。『週刊プレイボーイ』も全盛期は100万部を超えていた発行部数が、現在では20万部前後です。それならば『週刊プレイボーイ』の魅力を出版物以外で伝える必要があるのではないかと、雑誌の形式にこだわらず、ブランドパワーをアピールできる企画を模索し始めました。

企画の具体化で課題となったのは「週プレらしさ」の表現です。マンガ雑誌では原画を核とした展覧会が定石として定着しつつあり、過去のグラビアを活用した写真展の案も出ましたが、それではほかの雑誌と似たり寄ったり。「週プレらしさ」の表現には至りません。そんな時、『週刊プレイボーイ』編集部から「飲食店にチャレンジしたい」という要望があり、店舗企画をゼロから練ることになったのです。

「オトコの週刊誌」として名を馳せてきた週プレの看板と言えば、やはりグラビアアイドルです。さっそくグラビアアイドルを起用した飲食店にしようと考えたのですが、女性が活躍する飲食店は数多く、単なるコンセプト居酒屋では埋もれてしまう。長い歴史を歩んできた週プレでなければ実現できない要素を中心に据え、世間にインパクトを与える飲食店にしたかった。

そのため企画書の冒頭には「グラビアアイドルを入り口に設定して、話題化/集客を図りながら、お店全体の店内体験を通じて、週プレの魅力を自然と体感/実感できる場。」(原文ママ)と明示し、体験コンセプトを「週プレを"オカズ"にして、お酒を飲む。」(同)にしたのです。

新宿歌舞伎町でレトロ×モダンな空間を演出

従来の飲食店タイアップとは一線を画した見え方でブランドパワーを最大出力すべく、こだわったポイントは3つあります。1つめは空間設計です。週プレは一般男性に向けた"大衆誌"なので、ラグジュアリーな空間よりも、座敷のような誰もがくつろげる「これぞ居酒屋!」といった雰囲気が合うと考えました。

そして、その場にグラビアアイドルを持ち込むとどうなるかとアイデアを膨らませていき、最終的に「現代のお座敷遊び」をコンセプトに、遊郭に着想した和のモチーフを活用したカジュアルでモダンな大衆酒場を作り上げました。グラビアアイドルが実際に接客するVIP席のバーカウンターも、壁に設置した赤いネオンと黒い格子などで和のエッセンスを取り入れています。

メインフロアとなるテーブル席はネオン管や裸電球を効かせて、官能的かつ魅惑的な空間に仕上げました。その上で、これまでの50年間だけでなく、現在、そして未来の週プレを体感いただけるように、いまの週プレの看板アイドル・馬場ふみかさんの6メートルの特大グラビアと、歴代の週プレ記事やピンナップが並んだ壁で囲む構造にし、いまと昔の対比を眺めながら週プレ独自の世界観を楽しめるようにしています。

また、レトロな雰囲気の中にガラスやシャンデリア、むき出しのカフェっぽい天井を採用するなど、異なる素材を組み合わせることで空間に幅を生み出しています。ほかにもモルタル張りとタイル張りの部分に分けたり、ネオンと格子戸を組み合わせたりして、空間全体で本誌の持つ"ごった煮"を表現することを目ざしました。

入り口にはネオンで光らせた「いらっしゃいませ」の文字と女性のビキニ水着をモチーフにしたロゴをあしらった赤いのれんを掲げ、天井には漫画家のみうらじゅん先生が書き下ろした天井画「週プレ酒場の守り神」も ...

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