活躍する若手の販促キーパーソンたちの魅力と可能性に迫る本企画。新たな時代を担う彼・彼女らは、どんなポテンシャルを秘めているのか。第1回目となる今回は、大丸松坂屋百貨店 本社販売促進担当の宮原大尭さんに聞いた。
大丸300周年の記念看板を企画
ことし入社3年目となる大丸松坂屋百貨店の宮原大尭さんは、昨年9月に営業本部の販売促進を担当に配属となった。クリアランスセールの企画・運営と、大丸松坂屋のオフィシャルキャラクター「さくらパンダ」のライセンス管理などに携わり、現在は、下半期の売り上げの山となるクリスマスのプロモーションの準備を進めているところだ。
宮原さんが手がけた施策の中でも大きな話題を集めたのが「FLOWER MIRROR(フラワーミラー)」。大丸松坂屋百貨店では、ことし「大丸」が創業300周年を迎え、昨年11月から「大丸創業 300周年記念企画」を各店で開催している。「フラワーミラー」もその周年企画のひとつ。この2月と3月に大丸東京店と京都店で公開した。
「フラワーミラー」は、800輪の花々の開閉をデジタル制御する、横5メートル・縦3メートルのパネルで、ショーウインドウ内に設置した。センサーで通行人の動きや姿を解析し、1輪1輪をドットに見立ててシルエットを再現する。ほかに文字や図形も表示できる。「フラワーミラー」の前で写真撮影する人も多く、ソーシャルメディア上で話題となった。
大丸松坂屋各店の販売促進担当者からの視線も熱く、宮原さんには、「フラワーミラー」のような、集客につながる体験型コンテンツを企画してほしいという要望が多数寄せられてきているという。
「これまで当社では、『フラワーミラー』のような規模で、集客や話題づくりに主軸を置いた企画はありませんでした。そういう意味では、各店が商品販売で売り上げを高めることだけに集中するのではなく、体験や情緒面の価値をプラスしてお客さまにご提供することに目を向ける一歩になったのではないかと考えています」と話す。
実際に足を止めて見てくれる人も多く、アイキャッチとしての役割は果たせたと自負する宮原さんにとっては、初めて担当した大きなプロジェクトだった。「さまざまな最新テクノロジーを活用することで実現した施策であり、デジタルの有効活用の一事例として、その可能性を感じてもらえたらうれしいです」
入社理由は扱う商品の多様性
宮原さんは2015年4月に新卒で大丸松坂屋百貨店に入社した。学生時代からファッションや買い物が好きで、駅ビルや百貨店などの店を回り、いろいろな商品を見て歩くのが楽しみだったという ...