通信教育を手がけるユーキャンのメールマガジンは、4月時点で定期購読数80万通を突破。利益も増加するなど一定の成果を出している。その運用の極意について、ウェブマーケティング担当の鳥羽渉氏に聞いた。
- 配信することが目的化してしまい、なかなか成果を出せない・・・
【担当者の悩み】
まずは「プッシュ型」ツールとしての特性を押さえる
ユーキャンは、法律やビジネスから料理や健康に関する資格講座など、130種類以上の講座を開講している。同社では、2001年からメールマガジンの運用を開始。2009年時点は1配信あたり40万通ほどだった配信数が、いまでは倍の約80万通に上る。開封率は昨年の11%前後から、ことしは12%台に改善。講座への申し込み促進で存在感を見せている。
メールマガジンの運用を廃止する企業も出始めている中、「未読のままゴミ箱行き」を防ぐにはどうすればいいか。ユーキャンでメールマガジン運用を担当する鳥羽渉氏は、「メールマガジンを開封してもらうためには、当然ではありますが、受信する方が『知りたい』と感じる情報である必要があります。そこで当社ではメールマガジンを大きく3つに分けて配信しています」と話す。
ひとつめは営業メールの位置づけとなる「スポットメール」だ。スポットメールでは、いま受講するとちょうど資格試験に間に合うタイミングの講座などを案内する。
こちらは営業を前提にした内容だが、それだけに注意が必要だ。「なぜ、いまメールが届いたのか、理由を明確にしなければなりません。受け取る方が『いま、このメールを読むメリット』がわかる情報でなければならないとも言えます。最初に目に入る件名のインパクトも重要ではあるのですが、そういったテクニックよりも私はむしろタイミングのほうが重要だと考えています」(鳥羽氏)。月に4本~5本配信している。
ふたつめは、ユーキャンが「ベースメール」と呼ぶもの。同社が運営する学びに関する情報を発信するWebメディア「マナトピ」と連携し、読者に役立つ情報を選んで配信する。生活に役立つ貯蓄術を紹介するといった例がある。このメールマガジンでは"営業色"を少なくし、ユーザーのロイヤルティを向上させることに目的を絞っている。配信サイクルは月に1本~2本ほど ...