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SXSW 2015

広告界からも熱い注目 テクノロジーの祭典SXSWとは?

ここ数年、広告界からの注目度が急上昇中のSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)とは、どんなイベントなのか。なぜ注目されているのか。そのアウトラインと、広告クリエイターが知っておくべき今年のトピックスをレポートする。

期間中、オースティンの街は人であふれかえり、非日常な空気に包まれている。夜はあらゆる場所でパーティーやライブが行われ、人気のセッションには朝から長蛇の列ができる。

出自は音楽祭
テクノロジーの祭典として進化

SXSWを包括的に語ることは難しい。カンヌライオンズのようにフェスティバルとして明快なメッセージを打ち出しているわけではない。内容を総括するスポークスマンもいない。10日間の期間中、音楽・映画・インタラクティブに関心を持つ10万人以上の多彩なカテゴリーの人が訪れ、それぞれに交流を行い成果を得て帰っていく。その総体がSXSWというイベントだ。

SXSWは1987年、音楽祭としてスタートした。オースティンのミュージシャンたちがアメリカのメジャーなミュージックシーンから孤立している、と感じた地元の音楽関係者が、アメリカ全土から音楽関係者を招くイベントとして企画した。こうした出自が、SXSWに今も脈々と流れるカウンターカルチャー的な気質の源流にある。

94年にはフィルム部門、98年にはインタラクティブ部門を新設。SXSWインタラクティブが「テクノロジーの祭典」「スタートアップの祭典」として注目を集めるようになったのは、2007年にTwitterがSXSWウェブアワードの大賞を受賞し、そこから一気にブレイクしたからだ。以来、テクノロジーのトレンドを先取りできる場所として知られるようになっていく。

日本でSXSWというと、トレードショーがよく言及されるが、SXSW全体の構成から見れば、ごく一部に過ぎない。例えばインタラクティブ部門の大きな構成要素は、「セッション」「ミートアップ」「スタートアップピッチ」「パーティー」の4つである。

セッションは、会期中1000以上開かれるトークイベント。数名のスピーカーが登壇し、テーマ別にトークを行う。SXSWを訪れる人の多くは、このセッションを聞きに来ていると言っていい。ミートアップはある共通のテーマに関心を持つ人が集まるネットワーキングの場だ。期間中、会場を歩いているとiBeaconで近くで開催されるミートアップの通知が届く。興味があれば、ふらりと参加することができる。

スタートアップピッチとは、スタートアップが投資家に対して行うプレゼンイベント。投資家だけでなく、国や企業・大学などが協賛するピッチイベントもある。ネットワーキング目的のパーティーは、公式のものから企業主催、非公式のものまで、SXSW期間中、オースティン中のあらゆる場所で開かれている。

トレンドの発信拠点から
コアな議論の舞台へ

SXSWの会場には投資家やスタートアップに加え …

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