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マーケティングを変えるパーパス・ブランディング

メインストリーム化するパーパス・ブランディング

ジャスティン・リー氏(エスエムオー)

ディスラプターやスタートアップ、さらに世界のメガブランドまでが実践する「パーパス・ブランディング」。なぜ今、世界中から注目されているのか。そして、その正体、仕組みとは何なのか。パーパスの力を生かし、ブランドをエレベートするための知見を全6回で解説する。

ツイッターに投稿されたセリーナ・ウィリアムズ、コリン・キャパニックそれぞれのポスタービジュアル。

ツイッターを介し反論 自らの主張をするナイキ

昨年、セリーナ・ウィリアムズが長女の出産後、初めての全仏オープンでのこと。彼女は通常のテニスウェアではなく黒いボディスーツを着用し、出場して初戦のラウンドを勝ち取った。当時、人気のスーパーヒーロー"ブラックパンサー"のコスチュームと似たそれは、血栓の形成を防ぐ機能を持ったウェアだ。

この特別なウェアはナイキが出産後で健康問題を抱えた彼女のためにつくったものだった。ところが全仏オープンの終了後、仏テニス連盟はこのボディスーツに対して「テニスへの敬意を払わなければならない」と主張し、禁止令を出した。

セリーナのスポンサーであるナイキは、この禁止令に即座に反応。ボディスーツを着用し、活躍するセリーナの白黒写真と共に「彼女のコスチュームからスーパーヒーローを取り除いても、彼女のスーパーパワーは取り除くことができない」というメッセージをツイッターに投稿した。

2016年、NFLのコリン・キャパニックは米国における人種差別の現状に不満を持っていた。そんな彼は、国歌斉唱中にひざまずく抗議活動で異議を唱えたのである。論議を巻き起こしたその行動の結果、シーズン後、彼と再契約するチームはなく、事実上NFLから追放された。

時が過ぎ2018年、ナイキのスローガンである「Just do It.」が30周年を迎える時のことだ。コリンは属するチームがないままの状況であったにも関わらず、ナイキは大胆な決断をし、彼をキャンペーンの顔として起用した …

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