生活保険「1UP」のシリーズCMが話題となり、全日本シーエム放送連盟(ACC)の主催する「2017 57th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」において、総務大臣賞/ACC グランプリ(フィルム部門 A カテゴリー)という、まさにホームランに値する賞を受賞した住友生命保険相互会社。同社 ブランドコミュニケーション部 部長の藤本宏樹氏に、CM企画の舞台裏を聞きました。
テレビCMをきっかけに1UPの契約件数も増加
足立:広告賞ではすでに実績のある「1UP」。社内での評価や、商品のセールスへの影響はありましたか。
藤本:社内外問わず反響は多くありましたね。「1UP」のCMは商品の説明をほとんどしていないので、当初は社内からネガティブに捉えられることもあったのですが、一方でお客さまからは「あのCMの会社ね」とお声がけいただくことも増えたことから、社内の反応もポジティブなものへと変化していきました。
今回のCMは、「1UP」というブランド名を覚えていただくことに焦点を絞っているのですが、CMを放映してから実際にブランド認知率が向上しています。また保険はCMを見てすぐ購入につながる商品ではないため、広告の売上への貢献は測定が難しいのですが、「1UP」にご加入していただいた方へのアンケートで「CMをきっかけに」加入されたというご契約者の割合が右肩上がりで増えている状況です。
足立:ACC賞の贈賞式で社長の橋本雅博氏が「1UP」には80万件加入したというお話をされていました。これは保険業界ではヒット商品と言えるのでしょうか。
藤本:当社の中ではヒット商品に当たりますね。件数もそうですし、当社は比較的中高齢のご加入者が多いのですが、「1UP」ではターゲットの20~30代の若年層に多く加入していただいています。新しいマーケットや顧客の開拓につながっていると感じます。
足立:保険のCMに起用されるタレントさんは、一般的に優等生的なイメージの方が多い気がするのですが、今回のCMではキャスティングもユニークだったと思います。
藤本:キャスティングは企画に応じて決めるということを常に守っています。「1UP」はTUGBOATの岡 康道さん、麻生哲朗さんと企画を進めているのですが、麻生さんに褒められたのは、CMソングを歌ってくれている竹原ピストルさんを起用した提案を即決したことですね。名前が"ピストル"だったため、保険的にも起用して大丈夫か心配だったようですが、すぐにOKになったのは驚いたと話されていました ...