テクノロジーの発展が加速する中、それらの進化に適応する力が広報担当者にも求められます。これからの広報のICT利活用を解説。
“レジリエンス”という言葉を耳にされたことはありますか?技術の進歩や社会の変化が大きくなっている現代、この言葉の重要性が増しています。レジリエンスは災害対応の現場で使われることが多く、日本では東日本大震災からの復興のために「国土強靭化」計画がつくられ、英訳にナショナル・レジリエンスとついたことから、「強靭化」の意味で定着したと言われています。
レジリエンスの語源は、跳ね返る、跳ね上がって戻るという意味のラテン語「resilire」だそうです。生物の“進化”を説明するために生態学で使われるようになり、“強く折れない心”という意味で心理学などの分野でレジリエンスの概念が定着しました。多分野で様々に解釈されるので、「これが唯一絶対の定義」というのが難しいのですが、多くの研究で不確実性、突発的、想定外の外部環境の変化に対する人や組織の「適応能力」と捉えられています。
柔軟性を持ち対処する能力
分かりやすくするため二項対立的に考えてみます。「管理・コントロールvs柔軟性」の構図を用いて、新型コロナウイルスによる変化への適応を例にします。新型コロナが登場した初期の頃は、ワクチンも有効な治療方法もなかったため、感染ルートを把握することが重要で、クラスターと呼ばれる集団感染源を突き止めて、そこからウイルスの広がりをいかに最小に抑える...
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