自治体の広報担当者に、実施した広報施策の背景や効果をヒアリング。自治体における広報の役割について探ります。
小林市は過去に「ンダモシタン小林」という動画で一躍“時の自治体”となりました。多くのメディアで取り上げられ、動画再生回数は300万回を超えるなど大きな話題に。その後も主に市外を意識した、単発的なプロモーションを展開してきましたが、定量的、定性的な成果というものは、初期の動画以降なかなか見出せない状況が続きました。過去の動画を意識するあまり、“バズらせる”ことを狙った、市外を意識したプロモーションへ比重が傾き、市内を意識したプロモーションへの意識が欠落していたことで不調和音が生まれていたようにも思います。
吉野北人を起用した15本の縦型ショート動画
このような課題がある中、本質的な部分に立ち戻ってプロモーションを再構築しようと自らの手で戦略・戦術を整理。行政だけで情報発信を担うより、小林市とかかわる人と共に市の魅力を発信した方が情報を拡散でき、さらに、人々を情報発信側へ引き込むことで、当事者意識や郷土愛醸成が期待できると仮説を立てプロジェクトの検討を進めました。こうして2022年にスタートしたのが「ハッシンコバヤシ‼」プロジェクトです。
プロジェクトでは、“市外向け”と“市内向け”のプロモーションを連動させ、市民や市とかかわりのある人と小林市が一丸となりムーブメントを起こすことを意識。初期のフェーズでは、まずは市民や近隣住民に興味を持っていただくため、市民をキャストに迎え、おじさん3人組がSNS...
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