北米で19世紀後半以降に活躍し、現代広報PRの歴史的発展に貢献した偉人の功績を紐解きます。
興行パブリシティの先駆者
P.T.バーナム
◆ 映画『グレイテスト・ショーマン』でおなじみ
◆ 新聞によるパブリシティを使いサーカスなどの興行で集客
◆ 社会心理学における「バーナム効果」の由来にも
第1回は、「地上最高のショーマン」と称された興行師のP.T.バーナムです。彼の生涯を描いた映画『グレイテスト・ショーマン』(2017年)をご覧になった方も多いと思いますが、バーナムは1830年代からニューヨークを拠点に、荒唐無稽な見世物小屋や博物館をはじめ、サーカスなどの興行で人気を集めました。
1841年にニューヨーク市ブルックリンに開設した「バーナムのアメリカ博物館」という見世物小屋は、映画にも登場する「親指トム将軍(General Tom Thumb)」などの人気で大成功を収め、ヨーロッパ巡業では、英ヴィクトリア女王にも謁見しています。
その後、1871年に「バーナムのアメリカ博物館」を見世物だけではなく、サーカスやリサイタルなどと組み合わせた「地上最高のショー(The Greatest Show on Earth)」に発展させて、国内巡業を始めます。この巡業は大がかりなもので、馬車での移動が困難になり、彼は新たな移動手段を探していました …
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