パッケージデザインと言うと多くの場合、ビジュアルやデザイナーの名前など、視覚的な印象や審美性に目が向きがちである。国際的なパッケージデザイン賞でも、ぱっと見の印象や面白さが評価されることが多く、グラフィックのパワーが評価される傾向が強い。国内においても「LOHACO」などのEコマース購入比率が高まるにつれ、パッケージに書かれる"ことば"の注目度は低くなる。
しかし、やはりパッケージに記される言葉の力は強い。今月のパッケージは「消泡剤無添加で作ったにがりとうふ」である。ここでいう言葉とは、もちろん「消泡剤無添加」だ。消泡剤とは、豆腐の製造過程で出てくる泡を消すために使われるもの。「グリセリン脂肪酸エステル」や「シリコン樹脂」などが用られ、総称として消泡剤と呼ばれている。
この消泡剤が昨年話題になり、食品添加物としての安全性や体への影響を不安視するような書き込みやブログなどが一部で見られた。同時に「消泡材無添加」商品の紹介や味のよさを紹介するサイトもあった。実際は消泡材自体、体に害のあるものではなく、製造中にほぼなくなってしまう。過度な消費者反応に対し、正しい理解を促そうといった動きもある …
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