<特別レポート>消費増税後の価格表示

消費税8%にどう対応する?業界で分かれる価格表記の方針

編集部レポート

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2014年4月からの消費増税に向け、価格表示方法を盛り込んだ、いわゆる「消費税転嫁対策特別措置法」が10月1日に施行された。8%への増税後には、2015年10月に10%アップが予定されている中、多くの企業にとって課題なのは販売現場における価格表示だ。そこで、増税後の価格表示に対する、政府のガイドライン、主な流通関連業界の見解、消費者の考えをまとめてみた。

特別措置法の施行で「税抜表示」も可能に

現状の価格表示は、消費者が商品を購入するときいくら払えばいいのかを明瞭にするため、商品の本体価格に消費税分を含めた「総額表示」が義務付けられている。

今年10月1日に施行された、いわゆる「消費税転嫁対策特別措置法」では、2013年10月1日から2017年3月31日までの期間は「総額表示」に加えて「税抜表示」も認められるようになった。これは、値札の貼り替え作業といった事業者の事務負担を軽減させる観点などから取られた措置だ。

この「税抜表示」については、商品の“値ごろ感”を出すことができるため、事業者にとっては活用したい方法だが、表示するには要件がある。財務省によれば「表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」がなされていることが必要となるのだ。

では具体的にどのような表示が可能だろうか。財務省が公表した、価格表示方法のガイドライン(「総額表示義務に関する特例の適用を受けるために必要となる誤認防止措置に関する考え方」に盛り込まれている)を以下に示してみよう。

「税抜表示」を店内掲示で一括表示することもOK

値札、チラシ、看板、ポスター、サイトなどにおいて「税抜価格」のみで表示する場合、次のような表示が可能だ。

    (1)○○○円(税抜き)
    (2)○○○円(税抜価格)
    (3)○○○円(税別)
    (4)○○○円(税別価格)
    (5)○○○円(本体)
    (6)○○○円(本体価格)
    (7)○○○円+税
    (8)○○○円+消費税

また、「税抜価格」は店内掲示などの方法で一括して表示することもできる。具体的には、個々の商品の値札では「○○○円」と税抜価格のみを表示し、店内の目に付きやすい場所に「当店の価格はすべて税抜表示となっています」と明瞭に掲示するという方法になる。

一括表示をチラシ、カタログ、サイトなどで行う場合は、個々の商品の価格は「○○○円」と税抜価格のみを表示し、別途、目に付きやすい場所に「本チラシ(本カタログ、本サイトなど)の価格は税抜表示となっています」と明瞭に表示する。

たまたま税率と同じ「3%値下げ」は容認

消費者庁は今回の増税にあたり、セール時の表示についての指針を出した。それによれば、消費税分を値引きする表示は禁止されている。具体的には「消費税は転嫁しません」「消費税はいただきません」「消費税は当店が負担します」「消費税還元セール」など、消費者に消費税を転嫁しない旨は表示できない。

また、「消費税率上昇分値引きします」「消費税8%還元セール」「消費税率の引き上げ分をレジにて値引きします」など、消費者が負担すべき消費税の全部または一部を割り引きする表示も禁止だ。

さらに、商品を買った消費者に経済上の利益を提供する旨の表示、例えば「消費税相当分、次回に購入できるポイントを付与します」「消費税相当分の商品券を提供します」などといった表現もできない。

消費者庁では「禁止される表示かどうかは、広告や宣伝の表示全体から判断する」としている。例えば、チラシに大きく「3%値引き」と記載し、同じチラシの中に小さな文字で「当店は消費税率引き上げ分の値引きで皆さまを応援します」と記載するのは、消費税分を値引きする表示として禁止される。

その一方で、消費税との関連がはっきりしない「春の生活応援セール」「新生活応援セール」は表示可能だ。また、たまたま消費税率の引き上げと一致するだけの「3%値下げ」「3%還元」「8%還元セール」などの表示も容認される。

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