新刊書籍『なぜ教科書通りのマーケティングはうまくいかないのか 電通戦略プランナーが教える現場のプランニング論』(北村陽一郎著)が3月5日に発売になりました。マーケティングの実務に携わる方々に向けて、有名なマーケティング・フレームの「現場での正しい使い方」を解説する書籍です。
いわゆるマーケティング・フレームの中には、本来は万能でないにもかかわらず原理原則的なものと扱われ、頻繁に使われるもののうまくいかないケースが多くあります。
現場のさまざまな案件に対応するには、状況に応じてこの手法は使えそうだ、逆にこの手法は今回は使わない方がいいだろうといった判断の基準が必要です。しかし多くの教科書に載っているのは「有用である」という総論と「こう使ってうまくいった」という成功談で、「こういうときにこの手法は使うべきでない」という議論はほとんどありません。
本書は、「過剰な一般化」「過剰な設計」「過剰なデータ重視」の3つを軸に、マーケティングの考え方やフレームを実践においてどのように使えばよいか、現場の知見にもとづいてお伝えします。
扱うテーマは、「ブランド認知」「ターゲット設定」「パーチェスファネル」「カスタマージャーニー」「インサイト分析」「重回帰分析」の6つ。それぞれ ①教科書における扱われ方 ②現場でのよくある誤解 ③現場でのご使用上の注意について解説していきます。
本書のベースになっているのは、著者が電通社内で主宰する少人数制のプランニング塾「北村塾」の講義内容です。若手プランナーたちの現場の課題感を聞きながら、対話を通じてマーケティングへの理解を深める場になっています。最終章では、その受講生との具体的な対話の一部もご紹介します。
リアルな現場において、何を灯台とするか。
各マーケティング・フレームの向き・不向きとは何か。
原理原則的であることと、そうでないことの違いは何か。
現場でマーケティングの実務に携わる方々、本当に価値ある商品・サービスを人に届けるべく奮闘する方々に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
目次
第1章 なぜ教科書通りのマーケティングはうまくいかないのか
・苦労して社内を通したプランがうまくいかない?
コンペの罪は「言い切り」を生んでしまうこと/間違いのもとは、本当は原理原則的ではないことをそのように見てしまうこと/マーケティング・フレームとは、モデル化の試みに過ぎない/マーケター自身が持っているバイアスを意識する
・3つの過剰
過剰な一般化/過剰な設計/過剰なデータ重視
第2章 過剰な一般化
・ブランド認知
教科書における「ブランド認知」の扱われ方/現場における「ブランド認知」の誤解/現場における「ブランド認知」ご使用上の注意
・ターゲット設定
教科書における「ターゲット設定」の扱われ方 /現場における「ターゲット設定」の誤解/現場における「ターゲット設定」ご使用上の注意
第3章 過剰な設計
・パーチェスファネル
教科書における「パーチェスファネル」の扱われ方 /現場における「パーチェスファネル」の誤解/現場における「パーチェスファネル」ご使用上の注意
・カスタマージャーニー
教科書における「カスタマージャーニー 」の扱われ方 /現場における「カスタマージャーニー 」の誤解/現場における「カスタマージャーニー 」ご使用上の注意
第4章 過剰なデータ重視
・インサイト分析
教科書における「インサイト分析」の扱われ方 /現場における「インサイト分析」の誤解/現場における「インサイト分析」ご使用上の注意
・重回帰分析
教科書における「重回帰分析」の扱われ方 /現場における「重回帰分析」の誤解/現場における「重回帰分析」ご使用上の注意
第5章 現場の広告プランニング
・状況によるマーケティングの使い分け
「かけられる予算」によるマーケティングの使い分け/「かけられる時間」によるマーケティングの使い分け/「目標の違い」によるマーケティングの使い分け/「商品カテゴリー」によるマーケティングの使い分け/「ブランドの立ち位置」によるマーケティングの使い分け
・マーケティングを考える順序
①競合(何が自ブランドに置き換わるのか)/②ターゲット(誰が自ブランドに置き換えるのか)/③便益(自ブランドはターゲットに何をもたらすのか)/④ターゲットの現在の心理状態/⑤ターゲットの理想の心理状態/⑥接点(ターゲットはどこで心理変容を起こすのか)
・原理原則的であることと、そうでないこと
原理原則的である「便益・人間の心理」/原理原則的でない「競合」/原理原則的でない「ターゲット」/原理原則的でない「接点」/原理原則的でない「マーケティングそのもの」
第6章 北村塾 受講生との対話から
・受講生への質問
・受講生からの相談
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