映画やドラマのプロデューサーとして活躍している山田兼司さん。映画『怪物』や『ゴジラ-1.0』など、多彩なジャンルの作品を発表してきた山田さんは、広告の文化的側面について一定の評価を示す。より良い広告のあり方やクリエイティブにおける考えを聞いた。

感情を動かす7つのエレメントで発動する真のストーリーテリング
映画『ゴジラ-1.0』、『怪物』などのプロデュースを手掛け、米アカデミー賞やカンヌ国際映画祭での受賞経験を持つ、映画プロデューサーの山田兼司さん。大学卒業後にテレビ朝日に入社、報道局を経て、東宝へ。連続ドラマから長編映画まで、映像制作の腕を磨いた。そのキャリアの中でこだわってきたのは、"オリジナル作品"であること。原作をもとにしたものやリメイクではなく、ゼロからストーリーを創作していくという取り組みだ。
「誰かに観て喜んでもらうには、人の“感情”にアプローチする必要があります。それは、非常に難しいことではありますが、いかにして人の心に届く深くて強いストーリーをつくれるのか、研究しながらつくるプロセスはとても刺激的です」と山田さんは、オリジナル作品にこだわる理由を語る。
こうした経験を経て、山田さんは世界基準の成功作品をクリエイティブ及びビジネスの観点から分析するなど、世界で評価されるストーリーを日々研究している。そして人の感情を動かす“技術”だとするストーリーを重視した作品づくりにおいて、不可欠だと語るのは「7つのエレメント」だ。
山田さんが提唱する「7つのエレメント」とは、…
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