NTTドコモの2024年度上期の売上における非通信事業の割合は、35%。国内における携帯キャリア間のシェア争いのし烈さが増す中で、1億人以上が利用している「dポイント」の提供など、通信外における新たな事業開発に力を入れている。この事業開発に際しては、法人向けのマーケティング支援事業も含まれる。そこでカギになるのが、「モバイル空間統計」などの自社データの存在だ。昨今、同社が力を入れるDOOH領域の話を中心に、その戦略を聞いた。
独自のデータ戦略で非通信事業の拡充を加速
NTTドコモ(以下、ドコモ)は近年、非通信事業の拡充を加速させている。そのひとつが法人向けのマーケティング支援事業だ。2015年に提供を開始した店舗での買い物やネットショッピングで貯まる「dポイント」を活用した販促支援や、ドコモの携帯電話ネットワークから得られる人口統計情報「モバイル空間統計」を活用した分析など、広告やマーケティング分野で新たな価値づくりに力を入れている。
この流れに至る転機は、スマートフォンの浸透だ。スマホが普及するとフィーチャーフォンとPCの境目が曖昧になり、「フィーチャーフォン内の自社メディアの存在感が薄れていく現実に直面した」と同社代表取締役社長の前田義晃氏は振り返る。
前田氏はかつて、「iチャネル」や「iコンシェル」などの...
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