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私の広告観

インタラクティブでエンタメ性ある「ゲーム」が広告の可能性を拓いていく

藤嶋咲子さん

絵画からキャリアを始め、3DCGや現代アートで社会課題に挑むアーティスト、藤嶋咲子さん。「バーチャルデモ」ではSNSの力を可視化し、「WRONG HERO」ではジェンダーバイアスへの問いをゲーム形式で表現するなど、新しいアートの形で人々の抑圧された声を浮かび上がらせている。広告やメディアが抱える課題に対しても、独自の視点を投げかける。

架空の国会議事堂を設置 SNSで実現したバーチャルデモ

筑波大学で絵画を専攻し、大学院では現代美術やメディアアートを中心に、ハイブリッドな表現を探求する総合造形領域を修了。その後、フリーランスとして制作活動を展開し、現代社会に問いを投げかけるアーティストとして活躍している藤嶋咲子さん。海外留学では現代アートに触れ、その魅力に強く惹かれた経験が現在の作品制作にも影響を与えている。初期の作品では、配管や工場をモチーフに、密なパターンを無秩序に表現。巨大なスケールや独特の色彩感覚が特徴で、デジタルとアナログ、2Dと3Dの狭間にあるような緻密な絵画作品を生み出している。その後、デジタルでの表現にも関心を寄せた藤嶋さんは、専門学校で3DCGの技術を習得。2020年には3DCGを用いて取り組んだ表現実験「バーチャルデモ」を公開し、注目を集めた。

「コロナ禍で緊急事態宣言が発布された時期にSNS上で起こった、“ハッシュタグデモ”に着目しました。街から人の姿が消えてしまった代わりに、SNSではたくさんの人の声が集まっている。そんな状況を目の当たりにして、仮想空間上に人を集めてデモをやってみたらどうだろうと思い付いて。バーチャル内の現象が、現実と同じ影響力を生むことも可能かもしれない。そんな期待から発信したのが『バーチャルデモ』です」。...

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