マーケティングアナリストとして、若者とメディアの研究を続ける、芝浦工業大学 デザイン工学部 UXコース教授の原田曜平氏。「いま若者はOOHを見ている」と話す原田氏が考える、若者とOOHの親和性について話を聞いた。
「広告」的な表現に敏感な若者もOOH広告はよく見ている!?
私は長年、若者についての研究を重ねており、日常的に若者と接する機会も多いのですが、感覚として、「広告」的な表現に特に敏感な若者が、いまOOHをよく見ていると感じています。コロナ禍も明け、学校や職場などでリアルなコミュニケーションをとるようになり、それに伴い移動する機会も増えました。人々が街に出ることが増えたいま、リアルの場に掲出されるOOHの価値は高まっているのではないでしょうか。
2024年の1年間だけでも、スマホと連動した体験型広告や実際に触れることのできる広告、ピールオフ型の広告など、多様な種類のOOHが話題になりました。そのなかで若者たちはいま、特にどのような広告に魅力や面白さを感じているのでしょうか。彼らへの調査から、若者の間で話題になっている事例をいくつかご紹介します。
ひとつ目は、ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルが実施した「#ニュー懐メロ」プロジェクトの第1弾OOHです。“スマートフォンでOOHに触れると、音楽が聴ける”という新しい広告体験を演出。…
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