失明の危機から感じた新技術が生む新たな課題
7年ほど前、危うく失明しかけたことがある。論文を読んでいると文字が欠けて見え始め、「疲れているのかな?」と思っていたら、3日ほどで視界が真っ白になり、視力のほとんどを失ってしまった。慌てて病院に行くと急性の近視性黄斑変性症と診断された。網膜の中心部(黄斑)に新生血管が形成され、出血することで視力を失うという眼病だ。かつては発病したら、止血剤とステロイド剤を処方され、視野の一部欠損で症状が治まれば御の字で、基本的には進行を遅らせつつ失明を待つしかなかったらしい。...
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