幸福学研究の第一人者で、慶應義塾大学大学院SDM研究科教授の前野隆司さん。人に関わるあらゆるシステムに「ウェルビーイング」を埋め込むことを目指し、研究を行う前野さんが考える「ハッピーになる広告」について、話を聞いた。
エンジニア時代に感じた虚無感 製品やサービスにおける幸せとは?
慶應義塾大学大学院および武蔵野大学にて教鞭を執る前野隆司さんは、ウェルビーイングに関する研究を行っており、これを応用して人々を「幸せ」にする製品やサービスの開発、職場や環境づくりなど、人々が幸せに働いたり、学んだりできる仕組みづくりに取り組んでいる。
ここ数年、「ウェルビーイング」という言葉を耳にする機会も増えてきた。この言葉は「身体的・精神的・社会的に良好な状態」を意味し、世界保健機関(WHO)が1948年に設立された際に「健康」を定義付ける言葉として使われたのが始まりだとされている。前野さんは「日本語では、“健康”や“良い人生”、“満ち足りた状態”などさまざまな訳し方をされていますが、“心と体と社会がいい状態”と考えると分かりやすいでしょう」と説明する。
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