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AI×マーケティングで未来を拓く

選挙から見る政治コミュニケーションの新時代 ―AIと従来型政治不信の交錯が示唆するもの

山根宏彰氏(富士通)

生成AIの台頭により、業務の効率化が実現するとともに、メディアの在り方や、企業と人との接点の作り方をも変えるような大きなインパクトが予測されます。マーケターは、これらの技術をどのように受け入れ、業務に生かしていけばいいのでしょうか。17回目となる今回は、国政選挙に生成AIが与えた影響について、富士通の山根宏彰氏が解説します。

生成AI時代における国政選挙 変化する政治コミュニケーション

2024年の秋は日米両国で重要な選挙が実施され、民主主義の新たな課題が浮き彫りとなった。日本では、生成AI時代における初の国政選挙である衆院選が、自民党の裏金問題という従来型の政治不信と交錯する中で行われた。一方、米国ではドナルド・トランプ氏が大統領に選出されたが、カマラ・ハリス氏が出馬するまでは、史上最高齢の現職大統領を含む大統領選が展開されていた。

今回の選挙の結果により、政治コミュニケーションの在り方が変わったことを実感した。その変化は企業のマーケティング活動にも重要な示唆を与えているのではないだろうか。

国政選挙における生成AI技術の影響

現地時間で2024年11月5日の米国大統領選に向けて、生成AI技術が選挙戦の新たなツールとして使用され、選挙活動の様相を大きく変えた。特にトランプ陣営では、AIを用いたディープフェイク技術を活用し、バイデン氏に批判的な広告や映像を作成した。例えば、共和党全国委員会はバイデン氏の再選による最悪のシナリオを描いた生成AI動画をYouTubeに投稿した(※1)。…

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