2021年3月に出版された岡本欣也氏の著書『ステートメント宣言。』(宣伝会議)において、岡本氏は、「ステートメント」という表現が企業や商品、サービスの広告にとどまらず、様々な場面で求められていると述べています。ステートメントを紡ぐことで、その人の「生き方」が見えてくる。誰もが気軽に言葉を発表することができる現代に必要な、言葉との向き合い方を聞きました。
ステートメントとは企業から世の中への手紙
―「ステートメント」とはどういうものか、改めてお聞かせください。
僕の著書の中で、「企業ステートメントは方針、約束、声明、宣言など、さまざまな意味合いで用いていますが、簡単に言うとそれは、企業から世の中への『手紙』なんだと思っています。」と書きました。
僕の想いとして、最近は、“コピーライター”の役割が、短く呼びかける、「キャッチコピー」を書くだけでは立ち行かなくなっていると感じています。
テレビCMがキャンペーンの中心にあった時代には、短いCMのなかで機能する、インパクトのある言葉が求められていました。
しかし近年、広告コミュニケーションに用いられるメディアも手法もテレビCMをはじめとするマス広告から広がり、インパクトのある広告の言葉を書くだけのコピーライターの仕事は減ってきています。
そうしたなかで、コピーライターは、商品やサービスを認知してもらう、...
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