企業と生活者の接点がデジタルシフトした昨今、企業を代表する「人」としての従業員が顧客にとっての体験価値の重要な競争軸になりつつある。しかしながら、従業員と企業のエンゲージメントは、慢性的な人材不足や雇用形態の多様化などにより、薄れていく傾向にある。「人への投資」と長期的に見た時の「ブランド価値」の関係性とは何か。この厳しい環境下にありながら、人の力を重視し、クリエイティビティに対する投資を惜しまない2人のCEOを登壇者として迎え、「人への投資を顧客にとっての価値に変える、感動体験を創る『人を育む』経営術」と題して対談を行った。
単なる商品を「体験的価値」に「体験的価値」を来店動機に
―まずは、お2人に伺いたいのが「産業イノベーション」という壮大なテーマについてです。2社はそれぞれ、外食そしてアイウェアという産業全体にイノベーションを起こしてきたからです。
粟田:皆さんは、国内における外食産業はすでに成熟していると思われるのではないでしょうか。しかし、20兆円と言われる外食市場において、大手企業が占める割合は10%程度で、多くは個人営業の店が中心。ビジネスとしての伸びしろは十分にある、さらに海外まで視野に広げると、大きな市場があると私は考えています。
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