企業が歴史を重ねていく中で、市場からの認知や信頼はそのまま維持しながらも、その時々の社会環境に合わせた新たな企業イメージを獲得していくことが求められる。未来を見据えたブランド構築はどのように行うべきなのか。本間ゴルフ 代表取締役社長 兼 最高経営責任者 小川典利大氏とイトーキ 代表取締役社長 湊宏司氏、外資企業を経て老舗企業の経営者となった2人が登壇し、「成熟市場を活性化させる!経営者と考える、未来に向けた『ブランドづくり』」と題してパネルディスカッションを行った。
オフィス家具もゴルフもコロナ禍で市場環境が一変
―それぞれの企業が属する産業カテゴリーについて、最近の市場環境から説明いただけますか。
小川:ゴルフ業界では、この20年間で売上が7割近くまで落ちていました。それがコロナ禍の影響で釣りやアウトドアと並び、ゴルフを始める人が増加。特に若者と女性層の拡大が顕著で売上が回復しました。アフターコロナとなり、人気は落ち着いてしまったものの、若年層と比べて女性は、定着した感があります。
グローバルで見ると、アメリカ、ヨーロッパ、日本、韓国がゴルフの主な市場ですが、欧米諸国はあまり変化がないのに比べ、特に韓国では相当な落ち込みだと聞いています。
湊:みなさんの印象では、在宅勤務の一般化で「オフィス業界は右肩下がりなのでは?」と思われていることでしょう。…
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