第62回「宣伝会議賞」から初めて最終審査を務めることになり、かつ自身も「宣伝会議賞」への参加経験があるコピーライターの三島邦彦氏。2024年3月、コピーライターとして言葉に向き合う際の姿勢を綴った著書『言葉からの自由』(宣伝会議)を刊行した同氏に「、宣伝会議賞」について、さらに言葉への向き合い方について話を聞きました。
「競技コピー」で蓄えた力で「ビジネスコピー」を発展させる
―三島さんご自身がコピーを書く時に大切にしていることは何でしょうか。
一番大切にしているのは、「自分が本当に思っていることを書く」ことです。仮に自分自身がターゲットではなく、その商品の良さを実感しづらい場合であっても、何かしら商品・サービスに関心を持てる部分はあるはず。
そういう考えでいるからでしょうか。ほかの人がつくったコピーを見ていても、「面白い」「かっこいい」など、表現や技巧に対する興味よりも、「本当にそうだな」という気持ちを抱けるコピーが好きです。
もちろん、広告コピーに技巧がいらないわけではありません。技術的な部分では、「できるだけ短く書く」ようにしています。基本的にコピーは人に覚えてもらえたほうが良いので、もしひとつの単語で表すとしたらどうなるかとか、一文字でも短くできないかと、…
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