誕生から35年を迎えた伊藤園のロングセラーブランド「お~いお茶」では、大谷翔平選手を起用したグローバルキャンペーンを展開中だ。海外や若年層への飲用機会の創出に向けてはどのようなパーセプションチェンジが必要だったのか、伊藤園 マーケティング本部副本部長 緑茶ブランドグループ ブランドマネジャーの安田哲也氏に聞いた。

大谷選手を起用したキャンペーンでグローバルへの訴求を目指す。
有糖飲料が強い海外市場で無糖茶を浸透させる戦略
1989年に誕生した伊藤園の「お~いお茶」。同社はその誕生以前の1980年に世界初の「缶入りウーロン茶」を販売開始し、1984年には「お~いお茶」の前身となる世界初の缶入り緑茶飲料を開発。1980年代後半の飲料売場はジュースや炭酸飲料などの有糖飲料が主力だったなか、無糖飲料市場を開拓してきた。その後は、業界に先駆けた持ち運びがしやすいペットボトル入り緑茶飲料や、ホット対応のペットボトル製品を開発するなど、ライフスタイルの変化や新たなニーズに対応した新しいお茶の商品を世に送り出してきた。同社の緑茶の販売数量は累計430億本にものぼるなど、国内の緑茶ブランドとしての地位を築いている。
そんな伊藤園は、2024年4月からロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手とグローバル契約を締結。大谷選手を「お~いお茶グローバルアンバサダー」として据え、お茶文化を世界中に広めるキャンペーンを始動している。
「お~いお茶」の海外展開の状況はというと、1987年の米・ハワイ州でのグループ会社設立を機に、無糖茶飲料の海外展開に着手。現在では世界40の国・地域で発売している。ただ、...