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生活者主導時代の「リブランディング」戦略

社会の潮流に合わせ、グルテンフリーで訴求 米麺の価値を広げるカテゴリーPRとは

田中国男氏、吉田聖士氏(ケンミン食品)

2025年に創業75周年を迎えるケンミン食品。同社は、創業以来ビーフンメーカーとして、日本のビーフン市場をけん引してきた。近年のグルテンフリー(小麦などに含まれるたんぱく質の一種である“グルテン”を摂らない食生活)需要や健康志向の高まりによって、グルテンフリー商品の市場拡大を進めている同社に、その戦略について話を聞いた。

グルテンフリー事業のはじまりはイタリアからの開発依頼

1950年に神戸で創業した、ビーフンメーカーのケンミン食品は、国内ビーフン市場の約50%のシェアで日本一を誇る。ビーフンの特徴は麺類でありながら、小麦を使用せず、米粉を使っている点。同社では売上のメインとなるビーフンのほかにも、フォー、ライスパスタ、ライスペーパーなど米を原料とした加工食品を製造してきた。近年、欧米ではグルテンフリーがトレンドとなっていることから、2022年には米粉でつくったグルテンフリーで本格的な中華麺を開発し、グルテンフリーラーメンや焼そばも販売している。

同社がグルテンフリー商品の開発・販売を始めたきっかけは、2008年まで遡る。イタリアのとある企業が、同社の米粉製めんの技術に着目し「グルテンフリーのパスタをつくってほしい」と要望を寄せたこと。この要望を受け、...

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