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生活者主導時代の「リブランディング」戦略

「治安が悪い?」長年のネガイメージを払拭する「ワケあり」を自称した足立区の戦略とは

栗木希氏(足立区)

区外からの「治安が悪そう」というイメージを払拭するべく、「ワケあり区、足立区。」と題したシティプロモーションに取り組んでいる東京都足立区。ネガティブなイメージを逆手に取った施策の狙いについて、同区 シティプロモーション課長の栗木希氏に聞いた。

足立区は5月28日から、区外へ向けたシティプロモーション「ワケあり区、足立区。」に取り組んでいる。

区内へのイメージアップから区外へのギャップ解消へ

東京23区の北東に位置する東京都足立区。その場所を知らなくても「治安が悪い」というイメージで語られることが多く、バラエティ番組ではいじられ、足立区出身・在住だと言えば必ず一言言われてしまう……。そのような根強いマイナスイメージを払拭するべく、同区では5月28日から、区外へ向けたシティプロモーション「ワケあり区、足立区。」に取り組んでいる。

本施策の旗振り役であるシティプロモーション課が立ち上がったのは2010年4月のこと。当時は、地方自治体の観光誘致や移住定住などを目的にしたシティプロモーションが主流だったが、足立区のシティプロモーション課の目的は区内と区民に向けたイメージアップだった。2009年度の足立区政に関する世論調査で、「足立区に愛着を持っている」と答えた区民は約7割だったのに対し、「足立区に誇りを持っている」と答えた区民はわずか3割。「愛着はあるが、誇りの持てない街」というのが、当時の足立区に対する区民の評価だった。

まずは区内と区民のマイナスイメージを払拭するべく、区が抱えるボトルネック的課題(治安・学力・健康・貧困の連鎖)の解決に着手。また、千住エリアを中心とした大学誘致や区内7地域のエリアデザイン(再開発)などを進め、10年以上の歳月をかけて魅力ある街づくりに力を入れてきた。...

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