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生活者主導時代の「リブランディング」戦略

価値観のズレを見つけ、不具合を改善する リブランディングは整体師の施術のようなもの

平松葉月氏(キャントウェイト)

世の中の状況が目まぐるしく変化する中で、多くの企業が直面している課題が、消費者の固定化されたパーセプションをどう変えるかということ。その固定化されたイメージが企業やブランドの進化を阻むこともあるのではないだろうか。そこで、イメージが固定化されることによるメリット・デメリットや、消費者のパーセプションを変えるために企業がすべきことなどについて、キャントウェイト代表取締役社長の平松葉月氏が解説する。

「ブランド」とは、消費者が企業や製品に抱く「期待」のこと

ブランド、と聞いてさまざまなイメージを思い浮かべると思いますが、ここでの「ブランド」とは、単なる製品やサービスの名称ではなく、消費者が企業や製品に抱く「期待」そのものと考えたいと思います。例えば、家電メーカーの場合は革新性やスタイリッシュさ、利便性が、外食チェーンならば空間や美味しさ、楽しさなどが消費者から期待されるでしょう。このように、ブランドは消費者の心に根付いた期待や感情の集合体です。ブランドを守るということは消費者からの期待に対しての企業としての約束であり、期待されている内容によってまたその約束の守り方も変わってくるのです。

それでは、なぜ「ブランド」のイメージが固定化するのか?消費者からの期待に応える、もしくはその期待を大きく超えるために、企業が対象者の接点をどのようにつくり、広げていくかによって、ブランドのイメージが世の中に醸成されていきます。そのようなイメージが固定化する原因は多岐にわたりますが、そのひとつが企業による長期間にわたる一貫したマーケティング戦略です。

ほかにも、消費者の過去の経験や口コミ、メディアの影響もブランドイメージの固定化に寄与します。消費者が特定のブランドに対してポジティブな経験を持つと、そのブランドに対する期待感が強く...

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